玉葉
養和二年
二月
三日甲辰。天晴。今日より大将風病。つて訪はんために行き向ふ。頗る辛苦の気あり。つて今夜より土公鬼気、招魂等の祭を行ふ。又仁王講を修す。晩に女房同じく訪はんために行き向ふ。伝へ聞く、院中三十日穢れあり。これ乞食法師門内に於て餓死すと云々。今朝見付く。疑ふらくは昨日よりこれにある者と云々。
六日丁未。天晴。年始の吉日たるに依り、大将白地に退出す。…略。
十五日丙辰。天晴。…略。大将今夕より邪気を渡す。智詮不動供を修しこれを祈る。
二十二日癸亥。天晴。早旦信範入道来る。未の刻許りより風病更に発り、浴湯の後、弥温気を増し火を加ふ。東西覚えず、訶梨勒丸を服す。瀉する後、夜に入り少しく減じ、温気少しく散ず。
二十三日甲子。天晴。今日風病頗る宜し。食事例の如くならず、力無く術無し。…略。
養和二年
二月
三日甲辰。天晴。今日より大将風病。つて訪はんために行き向ふ。頗る辛苦の気あり。つて今夜より土公鬼気、招魂等の祭を行ふ。又仁王講を修す。晩に女房同じく訪はんために行き向ふ。伝へ聞く、院中三十日穢れあり。これ乞食法師門内に於て餓死すと云々。今朝見付く。疑ふらくは昨日よりこれにある者と云々。
六日丁未。天晴。年始の吉日たるに依り、大将白地に退出す。…略。
十五日丙辰。天晴。…略。大将今夕より邪気を渡す。智詮不動供を修しこれを祈る。
二十二日癸亥。天晴。早旦信範入道来る。未の刻許りより風病更に発り、浴湯の後、弥温気を増し火を加ふ。東西覚えず、訶梨勒丸を服す。瀉する後、夜に入り少しく減じ、温気少しく散ず。
二十三日甲子。天晴。今日風病頗る宜し。食事例の如くならず、力無く術無し。…略。