年もかへりぬ。ところ/"\浦々、あはれなる事をのみおぼし歎く。
佐渡の院あけくれ御行ひをのみし給ひつゝ、なほさりともとおぼさる。
おきには、浦よりおちのはる/"\と霞み渡れる空をながめ入りて、過ぎにし方かきつくしおもほしいづるに、ゆくへなき御涙のみぞとゞまらぬ。
うらやまし長き日影の春にあひて鹽汲むあまもそでやほすらん
※うらやまし
いととしくすきゆく方のこひしきにうら山しくも帰浪哉 伊勢物語 後撰集 在原業平
松島や塩汲む海女の秋の袖月は物思ふ習ひのみかは 鴨長明 新古今和歌集
年もかへりぬ。ところ/"\浦々、あはれなる事をのみおぼし歎く。
佐渡の院あけくれ御行ひをのみし給ひつゝ、なほさりともとおぼさる。
おきには、浦よりおちのはる/"\と霞み渡れる空をながめ入りて、過ぎにし方かきつくしおもほしいづるに、ゆくへなき御涙のみぞとゞまらぬ。
うらやまし長き日影の春にあひて鹽汲むあまもそでやほすらん
※うらやまし
いととしくすきゆく方のこひしきにうら山しくも帰浪哉 伊勢物語 後撰集 在原業平
松島や塩汲む海女の秋の袖月は物思ふ習ひのみかは 鴨長明 新古今和歌集