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Channel: 新古今和歌集の部屋
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百人一首拾穂抄 藤原兼輔 蔵書

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中納言兼輔  号堤中納言

 良門孫右中將利基子也。母伴氏。作者部類云、延長

 五年中納言。承平三年薨云云從三位。左兵衛督。

みかのはらわきてながるゝいづみ河いつみきてとてか恋しかるらん

新古今恋一題しらず云云。瓶原泉河山城の名所也。

わきてながるゝは泉といはん縁語也。いづみ河はいつ

見きとてかといはんとての詞也。いつみきとてとは

いつみたると云事にかと也。此上句は人丸√都いでゝけふ

みかの原いづみ河と読給ひしより求出たる也。御抄云、此

哥序哥也。心は末逢恋の心也。一向にあい見たる

事もなき人を年月をへておもひ詫うちかへし、いつ

みならひにてかく宣るぞとわが心に云をなり云云。

師説余情かぎりなき哥也。すべて序哥のさま上古の

哥は陸奥のしのぶもぢづり、住の江の岸による

波などやうに逸見の詞をやすらかによめるなり。

中古にはみかのはらわきてながる、浅茅生のをのゝ

しのはらなどのたぐひ古哥に読たること葉を

おもしろくいひなして上にをふり。是後代に成

て人の◯へのたつみわ来たる故也是本序哥の一倅也。

 

 


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