すをきく。かたらふことにしての
やまちをちきる。あきはひく
らしのこゑみゝにみてり。うつせ
みのよをかなしふかときこゆ。冬
は雪をあはれむ。つもりきゆる
ありさま罪業にたとへつへし。
もし念佛ものうく讀経まめ
ならぬときはみつからやすみみ
つからおこたる。さまたくる人も
(郭公)
をきく。
語らふ毎に死出の山路を契る。
秋は蜩の声耳に満てり。
空蝉の世を悲しぶかと聞こゆ。
冬は雪を哀れむ。
積もり消ゆる有り樣、罪業に喩へつべし。
もし念佛、物憂く讀経まめならぬ時は、自ら休み、自ら怠る。
妨ぐる人も
(参考)大福光寺本
ヲキク
カタラフコトニシテノ山チヲチキル
アキハヒクラシノコヱミゝニ満リ
ウツセミノヨヲカナシムホトキコユ
冬ハ雪ヲアハレフ
ツモリキユルサマ罪障ニタトヘツヘシ
若念仏物ウク読経マメナラヌ時ハミツカラヤスミ身ツカラヲコタル
サマタクル人モ