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Channel: 新古今和歌集の部屋
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恋歌四 巻頭断簡 速水友益筆コレクション

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新古今和謌集巻第十四 恋哥四   中将に侍ける時女につかはしける          清慎公よゐ/\に君をあはれと思ひつゝ人にはいはでねをのみ                      ぞなく   返し     よみ人しらず君だにもおもひ出けるよゐ/\をまつはいかなる心ちかは                       する   小將滋幹につかはしける恋しさにしぬる命をおもひ出て問人あらばなしとこたへ                        よ

新古今和歌集巻第十四 恋歌四 中將に侍りける時女に遣はしける                 淸槇公宵々に君をあはれと思ひつつ人にはいはで音をのみぞ泣く
よみ:よいよいにきみをあわれとおもいつつひとにはいわでねをのみぞなく 隠
意味:毎夜逢えない貴女を恋しく想いながら、人に言わないで、声を立てて泣いてばかりいます。
作者:藤原実頼ふじわらのさねより900~970忠平の子。摂政関白で小野宮殿と称した。安和の変により源高明を失脚させた。有職小野宮流の祖。
備考:藤原実頼は、延長六年(928年)ー承平三年(933年)まで中将。



 返し                 よみ人知らず君だにも思ひ出でける宵々を待つはいかなるここちかはする
よみ:きみだにもおもいいでけるよいよいをまつはいかなるここちかはする 隠

意味:つれない貴方さえも私を思い出して頂いた夜々も、待っている私はどんな気持ちだったか、おわかりになりますか?
作者:清愼公集によると中務(延喜十二年(912年)頃 - 正暦二年(991年)頃)とあるが中務集にはない。
備考:清愼公集


   少將滋幹に遣はしける                 よみ人知らず
戀しさに死ぬる命を思ひ出でて問ふ人あらばなしと答えよ
よみ:こいしさにしぬるいのちをおもいでてとうひとあらばなしとこたえよ 隠
意味:貴方への恋しさで死んでしまうでしょうから、もし私を思い出して尋ねてくれる人がいたら、もうこの世にはいないと答えてください
備考:相手は藤原国経の子滋幹。大和物語百四段。返しは「からにだにわれ来たりてへ露の身の消えばともにと契りおきてき」 本歌 わくらばに問ふ人あらば須磨の浦に藻塩垂れつつわぶと答えよ(古今 在原行平)

速水友益 よゐ/\に 琴山印速水友益 不詳室町(戦国)時代で、代々朝廷の「北面の武士」を務めてきた貴族速水家の真筆。(古物商説明)
近江国浅井郡速水(現 滋賀県長浜市湖北町速水)を所領した清和源氏佐竹流山本氏流で、佐竹義業の孫山本義経が近江に地盤を築いた。その分家かも知れない。近江浅井家に使え、後に茶々の近臣として豊臣秀吉に使えた速水守久と関係があるかも知れない。速水友益の名は、慶長年間に行われた禅昌らの「賦山何連歌」での記録が残っており、そのサイトによると1557年ー1607年となっている。
25.0cm✕13.0cm



切 乙未三 了音 古筆了音 1674ー1725乙未 1655年 承応四年、明暦元年 1715年 正徳五年 ★ 1775年 安永四年 1835年 天保六年 1895年 明治28年三 不明
裏面聖護院道澄親王   速水友益 百四十二
令和4年3月13日 參

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