はじめに
初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。
既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。
2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。
緑風飛燕 2009年05月10日
海まで10Miles
燕風となる
この二日とても暑く、初夏とはいえ、夏日を記録している。
河川緑地グランドでは、子供達が、野球、サッカーに興じている。
ちょっと海の公園までサイクリングしてみよう。
テン・マイルとお読み下さい。
初案
海まで10Miles 風燕となる
薔薇 2009年05月12日
そうび咲く
便り手に持ち訪ねゆく
薔薇が咲いたので遊びに来て下さい。とのメールの返事に。
彼のメールに添付されていた薔薇。
夏霞 2009年05月13日
夏がすみ渡る風のみ言問はむ
ユリカモメという電車に乗って、お得意様の所へ、上司の挨拶回りに同行して。
珍しく夏というのに霞が掛かっていた。春はそんな日が一日も無かった様な気がします。
ユリカモメは、伊勢物語では、都鳥と呼ばれ、
名にし負はばいざこととはむ宮こ鳥我が思ふ人はありやなしやと
というのを踏まえて。
レインボーブリッジに霞が掛かった様子。
橋を渡ると風が渡る、訪うと問うの懸詞。
訪問ってとうとうだったのですね。
追加
本意を心配されてはと隠しておりました。直感的な厳しさをどう表現するかと思いました。
津の國の難波の春は夢なれや蘆のかれ葉に風わたるなり 西行
渡る風のみとは、この歌の本歌取りです。この冬歌の様な情景【のみ】という意です。
夏の初 2009年05月14日
信号の小鳥の声や夏の初
横断歩道の信号を待つ間、「ピコッ、ピコッ、ピコッ」と小鳥の声を模した音が鳴って、う~ん夏だな~と。
夏の初(げのはじめ)は、松尾芭蕉の奥の細道にもある季語なのですが、歳時記から消えています。
旧暦の四月十六日から90日間家に籠もる修行です。
奥の細道 日光
暫時は瀧に籠もるや夏の初
これを見ると、瀧も籠もるも龍の字を使っていますね。
16日は、芭蕉が奥の細道に旅立った日で、旅の日とか。
奥の細道 千住
日傘美人 2009年05月15日
少し気取り
日傘の人の前を行く
日傘の美人と信号待ちの所で会う。
青になり、ちょっと気取って横断歩道を美人の前を颯爽と歩く。
そんな自分に可笑しさと夏という季節らしさを感じました。
もちろんジロジロ見る訳にもいかず、ましてや写真等撮れないので、今日は写真無し。
花水木 2009年05月16日
修羅のごと心の闇に花みず木
先月上野の博物館で、興福寺阿修羅展を見て来ましたが、連休前なのにとても人が多く、見るのも大変な状況でした。
余りの人込みに少し怒りを覚えましたが、入場の為に並んでいる先にピンクと白の花水木が、阿修羅像の如く、微笑みと苦悩を見せておりました。何か心に余裕を持ちなさいと私に話し掛けられたみたいです。
誰も関心が無かった様ですが、私は興福寺が平重衡に焼かれ、それを藤原氏の氏寺として藤原兼実が、復興したとの事。
新古今の歌人なのでとても興味深かったですね。
一月も句を放置していて、ふと思い出したので。
三社祭 2009年05月17日
ちびっ子もイナセを気取る三社かな
今日は浅草三社祭ということで、人の賑わいも一入。大人達の神輿に混じって町内会で子供神輿が練り歩いていた。
鯔背は、ボラの背びれのような髷を結った魚河岸の若い衆が、粋でさっぱりとしていたからだとか。
大人と違って、こちらは、混雑もせずゆっくり見られる。
15万人も見物していては、身動きが取れなくなるので、なるべく近づかない様にして。
「気取り」か「気取る」か迷うところです。御意見を頂ければ幸いです。
皆様の御意見を踏まえ、「気取る」にしました。かなの切れ字があるのに、気取りでは少し切れていますね。
富士山 2009年05月27日
フジヤマは未だ春なれや夏霞
新幹線の中から富士山を見たが、未だ雪を湛えていたが、薄っすら霞んで見えない。写真も撮れないほど。
伊勢物語の東下りに
時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ
とあります。
考えたら未だ富士山は初春で霞んでいるのだなあ。
後、富士山の和歌といえば
田子の浦にうち出て見れば白たへの富士の高嶺に雪は降りつつ
と西行の
風になびく富士の煙の空に消えて行方もしらぬわが思かな
新幹線の中で
枇杷 2009年05月30日
びはのなる
音無く悲し
尾崎放哉風にしてみました。
放哉にしろ山頭火にしろ、酒で身を持ち崩している。自分と大差ないなあ。句の才能は全然ちがいますが。
枇杷は、北方系の自分にとっては、初めて見ました。何時も通っている図書館の前に実っていたのですが。こんなに鈴なりに成るのですね。
枇杷の成ると琵琶の鳴る
大人と音無
の懸詞
最初は普通の句を詠んでいたのですが、図書館でつい読んでしまい、影響されました。
肘笠雨 2009年06月01日
肘笠や雀も宿借るはしり梅雨
今日は、自転車で動いていたら、急な土砂降りで、自転車を暫く放置し、電車で目的地まで。
まだ止まないので喫茶店で、ぼんやり雨宿りをして、窓の外を見ると、雀も軒下に入っていく様子。
古典文学を読んでいたので、古風な俳句になりました。
肘笠雨
肘を頭の上に伸ばして笠のかわりにするほどのにわか雨で平安時代からある詞。
(堀兼井戸)
年輪 2009年06月05日
年輪の数だけ風を
夏木立
巨大な杜の大木も考えてみれば、沢山の風雪や災害に見舞われながらも、何事も無かった様に悠然と風に揺られています。
年輪は、風雪の数ですね。
斯く有りたいものだが…右往左往ばかり。
ラムネ’09 2009年06月07日
ラムネ飲む
遠くで神輿通り行く
ラムネ飲む
祭囃子の響く声
ラムネ飲む
水琴窟の輝けり
ラムネは、欲張って飲もうとするとビー玉が詮をして、自ずと少量ずつ飲む事になります。欲張り?にはいらいらしますね。それに暑い。30℃近いです。
向島百花園の近所では夏祭の神輿の威勢の良い掛け声がしています。
水琴窟は、茶室等に置かれ、水を流すと不思議な共鳴音がします。ラムネのガラス瓶とビー玉の転がるようなクリスタルの音がしますね。
夏祭 2009年06月07日
むすぼほれ裸電球夏祭
鵜飼舟高瀬さし越す程なれやむすぼほれゆくかがり火の影(夏歌 寂蓮)
を本歌取りしました。
人の動きで揺らめく様を見て。篝火ではありませんが。
こうてくれ
駄々をこねてる夏祭
ちょっと関西風の言葉で作ってみました。
そんな子はもういなくなりましたが。金持ちですもの。
わが家 2009年06月13日
駅遠し
日当たり良好風涼し
我が家は下町の外れにあって、殺風景ですが、風だけは良く通る涼しい家です。遊びに来て下さいとの挨拶句。
駅前で飲もうという事になった。
その前にちょっと小腹が空いたので駅前の立ち食い蕎麦屋で。
アオサたっぷり390円。卵を入れて月見にしたい味だな。