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和泉式部 撰歌一覧

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【「光る君へ」人物紹介】あかね/和泉式部 ◆ 泉 里香 - 大河ドラマ「光る君へ」

【「光る君へ」人物紹介】あかね/和泉式部 ◆ 泉 里香 - 大河ドラマ「光る君へ」

【大河ドラマ「光る君へ」公式】『和泉式部日記』の作者 あかね/和泉式部 <泉 里香さん>をご紹介しています。

大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

  和泉式部平安中期の女流歌人。大江雅致の娘。橘道貞と結婚し、小式部内侍を生む。為尊親王と弟の敦道親王の寵愛を受ける。一条天皇中宮彰子に仕え、藤原保昌と再婚。二十六首

 

秋歌上  題しらず 秋來れば常磐の山の松風もうつるばかりに身にぞしみける よみ:あきくればときわのやまのまつかぜもうつるばかりにみにぞしみける 隠    題しらず たのめたる人はなけれど秋の夜は月見て寝べきここちこそせね よみ:たのめたるひとはなけれどあきのよはつきみてぬべきここちこそせね 隠 
冬歌  題しらず 世の中に猶もふるかなしぐれつつ雲間の月のいでやと思へど よみ:よのなかになおもふるかなしぐれつつくもまのつきのいでやとおもえど 
 題しらず 野べ見れば尾花がもとの思草かれゆく冬になりぞしにける よみ:のべみればおばながもとのおもいぐさかれゆくふゆになりぞしにける 隠
 年の暮に身の老いぬることを歎きてよみ侍りける かぞふれば年の殘りもなかりけり老いぬるばかり悲しきはなし よみ:かぞうればとしののこりもなかりけりおいぬるばかりかなしきはなし  
哀傷歌  小式部内侍露置きたる萩織りたる唐衣を着て侍り  けるを身まかりて後上東門院より尋ねさせ給ひけ  るにたてまつるとて 置くと見し露もありけりはかなくて消えにし人を何に譬へむ おくとみしつゆもありけりはかなくてきえにしひとをなににたとえむ 隠 
 彈正尹爲尊親王におくれてなげき侍りける頃 ねざめする身を吹きとほす風の音を昔は袖のよそに聞きけむ よみ:ねざめするみをふきとおすかぜのおとをむかしはそでのよそにききけむ
 小式部内侍身まかりて後常に持ちて侍りける手箱  を誦經にせさすとてよめる 戀ひわぶと聞きにだに聞け鐘の音にうち忘らるる時の間ぞなき よみ:こいわぶとききにだにきけかねのねにうちわすらるるときのまぞなき
戀歌一  題しらず 今日も又かくやいぶきのさしも草さらばわれのみ燃えや渡らむ よみ:きょうもまたかくやいぶきのさしもぐささらばわれのみもえやわたらむ 隠
 返事せぬ女のもとに遣はさむとて人の読ませ侍り  ければ二月ばかりによみ侍りける あとをだに草のはつかに見てしがな結ぶばかりの程ならずとも よみ:あとをだにくさのはつかにみてしがなむすぶばかりのほどならずとも 隠
戀歌三  題しらず 枕だに知らねばいはじ見しままに君かたるなよ春の夜の夢 よみ:まくらだにしらねばいわじみしままにきみかたるなよはるのよのゆめ 隠
 彌生の頃夜もすがら物語して歸り侍りにける人の  今朝はいとど物思はしき由申し遣はしたりけるに 今朝はしも歎きもすらむいたづらに春の夜ひと夜夢をだに見で よみ:けさはしもなげきもすらむいたずらにはるのよひとよゆめをだにみで 隠
戀歌五  たのめて侍りける女の後に返事をだにせず侍りけ  ればかの男にかはりて 今來むといふ言の葉もかれゆくに夜な夜な露の何に置くらむ よみ:いまこむといふことのはもかれゆくによなよなつゆのなににおくらむ 隠    題しらず いかにしていかにこの世にありへばか暫しも物を思はざるべき よみ:いかにしていかにこのよにありへばかしばしもものをおもわざるべき 隠   雜歌上  敦道のみこのともに前大納言公任の白河の家に罷  りて又の日みこの遣はしける使につけて申し侍り  ける をる人のそれなるからにあぢきなく見しわが宿の花の香ぞする よみ:おるひとのそれなるからにあじきなくみしわがやどのはなのかぞする 隠
 月明く侍りける夜人の蛍を包みて遣はしたりけれ  ば雨の降りけるに申し遣はしける 思あらば今宵の空は問ひてまし見えしや月のひかりなりけむ よみ:おもいあらばこよいのそらはといてましみえしやつきのひかりなりけむ 隠
 題しらず 住みなれし人影もせぬわが宿に有明の月のいく夜ともなく よみ:すみなれしひとかげもせぬわがやどにありあけのつきのいくよともなく
雜歌中  少將井の尼大原より出でたりと聞きて遣はしける 世をそむく方はいづくもありぬべし大原山はすみよかりきや よみ:よをそむくかたはいずくもありぬべしおおはらやまはすみよかりきや 隠 
雜歌下  題しらず 潮のまによもの浦々尋ねれど今はわが身のいふかひもなし よみ:しおのまによものうらうらたずねれどいまはわがみのいうかいもなし 隠    題しらず 命だにあらば見つべき身のはてを忍ばむ人のなきぞ悲しき よみ:いのちだにあらばみつべきみのはてをしのばむひとのなきぞかなしき   
 題しらず 夕暮は雲のけしきを見るからにながめじと思ふ心こそつけ よみ:ゆうぐれはくものけしきをみるからにながめじともうこころこそつけ 隠
 題しらず 暮れぬめり幾日をかくて過ぎぬらむ入相の鐘のつくづくとして よみ:くれぬめりいくかをかくてすぎぬらむいりあいのかねのつくづくとして 隠
 尼にならむと思ひ立ちけるを人のとどめ侍りけ  れば かくばかり憂きを忍びて長らへばこれよりまさる物もこそ思へ よみ:かくばかりうきをしのびてながらえばこれよりまさるものもこそもえ 隠    題しらず たらちねのいさめし物をつれづれと眺むるをだに問ふ人もなし よみ:たらちねのいさめしものをつれづれとながむるをだにとうひともなし 隠
 返し 秋風はすごく吹けども葛の葉のうらみがほには見えじとぞ思ふ よみ:あきかぜはすごくふけどもくずのはのうらみがおにはみえじとぞもう 隠 
哀傷歌  題しらず(切出歌) 誰なりとおくれ先だつ程あらば形見に思へ水ぐきの跡 よみ:だれなりとおくれさきだつほどあらばかたみにおもえみずぐきのあと 

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