言葉集第十四 雑上
本院ノ藤サカリナリケ○○
コゝロアラン人ニミセハヤト
女房申アヒタリケレハ
高倉三位ノ御許ヘヨミテ
タテマツリケル
前斎院帥
ミセハヤナイロモカハラヌコノモトノ
キミニマ○○○カゝルフチナミ
返し
高倉三位
シメノウチニノトケキハルノフチナミハ
チトセヲマツニカゝルトヲシレ
冷泉家時雨亭叢書第七巻 平安中世私撰集より
本院の藤盛りなりけるを心有らん人に見せばやと女房申相たりければ高倉三位の御許に詠みて奉りける
前斎院帥
見せばやな色も変はらぬこの下の
君にまつが枝掛かる藤浪
返し
高倉三位
標の内に長閑けき春の藤浪は
千歳を松に掛かるとを知れ
掛詞
この下 子(式子内親王)の許、木の下
松が枝 待つ、松