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前田家本 方丈記 日野の庵5 又、恥づべき人も無し

なし。又はつへき人もなし。こと

さらに無言をせされともひとり

をれは口業をおさめつかならす

禁戒をまもるとしもなけれと

境界なけれはなにゝつけてか

やふらん。もしあとのしらなみに

みをよするあしたにはおかのやに

ゆきかふふねをなかめて満

沙弥の風情をぬすみもしかつら

(妨ぐる人も)無し。

又、恥づべき人も無し。

殊更に無言をせざれども独りをれば口業を修めつ。

必ず禁戒を守るとしも無けれど、境界無ければ何につけてか破らん。

もし、跡の白波に身を寄する朝には、岡の屋に行き交ふ舟を眺めて、満沙弥の風情を盗み、もし桂

(参考)大福光寺本

ナク又ハツヘキ人モナシ。

コトサラニ無言ヲセサレトモ独リヲレハ口業ヲゝサメツヘシ必ス禁戒ヲマモルトシモナクトモ境界ナケレハナニゝツケテカヤフラン。

若アトノシラナミニコノ身ヲヨスルアシタニハヲカノヤニユキカフ舩ヲナカメテ満沙弥カ風情ヲヌスミモシカツラノ


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