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Channel: 新古今和歌集の部屋
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明月記 元久二年四月十七日 大嘗会意見

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明月記 元久二年四月

十七日。天晴る。巳の時、和歌所に参ず。昨日の残る事、猶々之を見る。大嘗会の歌の中、聊か事の由を申し、御定を承る。午の時に退出す。

賀歌
747 天暦御時大嘗会主基方備中国中山  よみ人知らず
常磐なる吉備の中山おしなべて千歳をまつのふかき色かな
748 長和五年大嘗会悠紀方風俗歌近江国朝日郷  祭主輔親
あかねさす朝日のさとの日影草豐のあかりのかざしなるべし
749 永承元年大嘗会悠紀方屏風近江国守山をよめる  式部大輔資業
すべらぎを常磐かきはにもる山のやま人ならし山かづらせり
750 寛治二年大嘗会屏風に鷹尾山をよみ侍りける  前中納言匡房
とやかへるたかの尾山の玉椿霜をば経とも色はかはらじ
751 宮内卿永範
曇なきかがみの山の月を見て明らけき世を空に知るかな
752 刑部卿範兼
大江山越えていく野の末とほみ道ある世にも逢ひにけるかな
753 皇太后宮大夫俊成
近江のや坂田の稲をかけつみて道ある御世のはじめにぞつく
754 権中納言兼光
神代より今日のためとや八束穂に長田の稲のしなひそめけむ
755 式部大輔光範
立ちよれば涼しかりけり水鳥の青羽の山のまつのゆふかぜ
756 権中納言資実
常磐なる松井の水をむすぶ手の雫ごとにぞ千代は見えける

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