明月記 元久二年五月
七日。天晴る。…略。
詩歌合に愚詠頻りに召すにより、今夜書きて之を進む。
元久詩歌合
十一番 左持 長兼
千程春浪駅船路 一穂暮煙潮戸堤
右 定家
あじろ木にさくらこきまぜ行く春のいざよふ浪もえやはとどむる
十二番 左勝 長兼
遠雁消霞湖月上 驚鵜拍水海雲低
右 定家
宮木守なぎさの霞たなびきて昔も遠き志賀の花ぞの
廿七番 左 長兼
(空白)
右 定家
都にも今や衣をうつの山夕露はらふつたの下道 (羇旅歌 982)
廿八番 左 長兼
(空白)
右 定家
夕づくよ木の間のかげもはつ雁のなくや雲井の峰の梯
七日。天晴る。…略。
詩歌合に愚詠頻りに召すにより、今夜書きて之を進む。
元久詩歌合
十一番 左持 長兼
千程春浪駅船路 一穂暮煙潮戸堤
右 定家
あじろ木にさくらこきまぜ行く春のいざよふ浪もえやはとどむる
十二番 左勝 長兼
遠雁消霞湖月上 驚鵜拍水海雲低
右 定家
宮木守なぎさの霞たなびきて昔も遠き志賀の花ぞの
廿七番 左 長兼
(空白)
右 定家
都にも今や衣をうつの山夕露はらふつたの下道 (羇旅歌 982)
廿八番 左 長兼
(空白)
右 定家
夕づくよ木の間のかげもはつ雁のなくや雲井の峰の梯