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塵劫記 継子立算

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       ↓上部と絵     ↓上部と絵    ↓上部と絵


継子立之圖

子三十人在内十五
人は先はらのこる十
五人はたうばらの
子なり。右のごとく
ならべて十にあたる       よみ
をのけ又二十に          はじめ
あたるをのけて又
二十九人までのけ
残る一人にあとを
ゆづりて可申といふ
時まゝ母各のごとく
たてけるなりさて
かぞへ候へは先ばら
の子十四人までのき
申候時今一度かぞへ
れば先ばらの子みなの        のち又これより  
き申候ゆへに一人残り        右によむべし

たるまゝ子いふやう
あまりたる一さうに
のき候まいまよりは
われよりかぞへ
られ候へといへばぜひ
なくして一人残りたる
先ばらの子より
かぞへ候へばとうばら
の子みなのきせん
ばらの子のこりて
あとをとるとなり

注1
1→10,20,30,11,22,3,15,27,9,24,7,23,8,26,⑭
⑭→1,18,2,25,19,17,21,29,6,28,16,5,13,4
残り⑭

注2
徒然草137段「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは」
かの桟敷の前をこゝら行き交ふ人の、見知れるがあまたあるにて、知りぬ、世の人数もさのみは多からぬにこそ。この人皆失せなん後、我が身死ぬべきに定まりたりとも、ほどなく待ちつけぬべし。大きなる器に水を入れて、細き穴を明けたらんに、滴ること少しといふとも、怠る間なく洩りゆかば、やがて尽きぬべし。都の中に多き人、死なざる日はあるべからず。一日に一人二人のみならんや。鳥部野舟岡、さらぬ野山にも、送る数多かる日はあれど、送らぬ日はなし。されば、棺を鬻く者、作りてうち置くほどなし。若きにもよらず、強きにもよらず、思ひ懸けぬは死期なり。今日まで遁れ来にけるは、ありがたき不思議なり。暫しも世をのどかには思ひなんや。
【継子立】といふものを双六の石にて作りて、立て並べたるほどは、取られん事いづれの石とも知らねども、数へ当てて一つを取りぬれば、その外は遁れぬと見れど、またまた数ふれば、彼是間抜き行くほどに、いづれも遁れざるに似たり。



増補頭書 新編塵劫記大全

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