Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4333

粘葉本和漢朗詠集 4 漢詩3

$
0
0

ありあけのこゝちこそすれさかづきに

ひかりもそひていでぬとおもへば 能宣

  山

黛色迥臨蒼海上泉聲遥落白雲中 百丈山 賀蘭暹

勝地本来無定主大都山属愛山人 白

夜鶴眠驚松月苦暁鼯飛落峡煙寒


(酒)
拾遺集 雑秋歌
 をみにあたりて侍りける人   大中臣能宣
有明のここちこそすれ盃の光もそひていでぬと思へば


 題百丈山 賀蘭暹
黛の色は迥かに蒼海の上に臨めり。
泉の声は遥かに白雲の中に落つ。

 遊雲居寺贈穆三十六地主 白居易
勝地はもとより定まれる主なし。
おほむね山は山を愛する人に属す。

 題遥嶺暮烟 都在中
夜の鶴眠り驚いて松月苦なり。
暁の鼯飛び落ちて峡煙寒じ。


三壺雲浮七万里之程分浪五城

霞峙十二楼之構挿天 都

奇犬吠花聲流於紅桃之浦驚風

振葉香分紫桂之林 同

謬入仙家雖為半日之客恐歸舊里

纔逢七世之孫 江


仙家附道士隠倫
 神仙策 都良香
三壺に雲浮べり。
七万里の程に浪を分つ。
五城に霞峙てり。
十二楼の構天を挿めり。

 同 都良香
奇犬花に吠ゆ。
声紅桃の浦に流る。
驚風葉を振ふ。
香紫桂の林に分てり。

 二条院宴落花乱舞衣序 大江朝綱
謬ちて仙家に入りて、半日の客たりといへども、
恐らくは旧里に帰りて、纔かに七世の孫に逢はんことを。


通夢夜深蘿洞月尋蹤春暮柳門塵 菅

ぬれてほすやまぢのきくのつゆのまに

いかでかわれはちよをへぬらん 素性


山家

遺愛寺鐘㩻枕聽香鑪峯雪巻簾看

蘭省花時錦帳下廬山雨夜草菴中


(仙家 附道士隠倫)
 遠念賢士風  菅原文時
夢を通して夜は深けぬ蘿洞の月。
蹤を尋ねて春は暮れぬ柳門の塵。

古今集
素性法師
ぬれてほす山路のきくの露のまに
いつかちとせをわれはへにけむ

 香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁 白居易
遺愛寺の鐘は枕を㩻てゝ聴く。
香爐峯の雪は簾を撥げて看る。

 廬山草堂雨夜独宿 白居易
蘭省の花の時の錦帳の下。
廬山の雨の夜の草菴の中。


漢高三尺之釼坐制諸侯張良一巻之

書立登師傅 後漢書

項荘之會鴻門寄情於一座之客漢

祖之帰沛郡傷思於四方之風 後漢書

四海安危照掌内百王理乱懸心中 百錬鏡 白

幸逢尭舜無為化得作羲皇向上人 白


帝王 附法王
 後漢書文
漢高の三尺の剣は、坐ながら諸侯を制す。
張良が一巻の書は、立ちどころに師傅に登る。

 後漢書文
項荘が鴻門に会する。
情を一座の客に寄す。
漢祖が沛郡に帰る。
思を四方の風に傷ましむ。

 百錬鏡 白居易
四海の安危は掌の内に照し、
百王の理乱は心の中に懸けたり、

 讃太宗皇帝 同
幸に尭舜無為の化に逢ひて、
羲皇向上の人となることを得たり、


隴山雲暗李将軍之在家潁水浪閑

蔡征虜之未仕 菅三

職列虎牙雖拉武勇於漢四七将学

抽麟角遂味文章於魯二十篇 順

雄剣在腰抜則秋霜三尺雌黄自口

吟亦寒玉一聲 順

(将軍)
清慎公辞左近大将表 菅原文時
隴山雲暗し、
李将軍が家に在るとき、
潁水浪閑かなり、
蔡征虜のいまだ仕へざるとき、

 右親衛藤亜将読論語序 源順
職虎牙に列して、
武勇漢の四七将を拉ぐといへども、
学麟角を抽で、
遂に文章を魯の二十篇に味はふ、


雄剣腰に在り、
抜けばすなはち秋の霜三尺、
雌黄口よりす、
吟ずればまた寒玉一声、

和歌所別当左親衛中郎将奉行序 同


倭漢朗詠集

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4333

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>