定家の部類時の病気　かささぎの渡せる橋

明月記　元久元年
九月
二十四日　帰宅するの後、殊に病悩。
卅日（晦）　病気滅無し。
十月
六日　病気滅無きに依り、出仕せず。
十五日　病気不快にて参ぜず。見物せず。
十一月
二日　病後、初めて院に参ず（昨日、五辻殿に還りおはします）。相次で殿に参ず。

後藤重郎によれば、定家の病気とともに俊成の死去により「元久元年においては、十月に入つて後は部類作業には殆んど關係してゐなかつたと察せられるのである。」と記している。
新古今和歌集の基礎的研究　塙書房
昭和四十三年三月二十八日