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家長日記 俊成九十賀歌
源家長日記 俊成九十賀 御遊終りて、和歌を置く。 御製 百歳の近づく杖の世々の跡に越えても見ゆる老いの坂かな 参議左大弁 今日に逢ひて花咲く松なほもまた君ぞ千歳のしるべなりける 釈阿 百歳も過ぎ行く人ぞ多からむ万代ふべき君が御代には 万代のためしを君に始めてもあかぬ心に祝ふ今日かな...
View Article明月記 元久二年二月二十八日 隆信の死
明月記 元久二年 二月 廿八日。天晴る。皇子御著袴に依り、院に参ぜず。巳の時許りに召しに依り殿に参ず。未の時許りに退出し、中納言中将に参ず。見参の後、院に参ぜしめ給ふ。女院に参じ、戌の時許りに帰宅す。今日聞く、右京権大夫入道、日来病悩。夜前巳に入滅すと。聞き及ばずして、病を問はず。臨終の体殊勝。高声に念仏し、清衣を著け、五色の糸を引き、坐し乍らに終ふと云々。今夜、忠弘を以て之を問はしむ。
View Article軒端の梅 明月記 建仁三年 故斎院周防を問う
明月記 建仁三年 十一月 四日。天晴る。時成朝臣を招き、目に針を加ふ。夜に入り、白河近衛の末に火有り。行き向ふの間、清水谷の尼上(大丞の養母。丞相の御姉)の御許、遠からず。門前に寄り、参ずる由を示して、路を帰る。次で、故斎院周防を問ふ。 白河の近衛通の末 京都市左京区吉田下大路町 故斎院周防 不明。 浄土宗の黒谷金戒光明寺の境内には皇族・公家の茶の湯に使われた黒谷明星水という名水がある。
View Article明月記 建仁三年九月十三日 具親と後月を見る
明月記 建仁三年 九月 十三日。天晴る。巷説嗷々たり。武士馳走す。巳の時許りに、殿下に参ず。仰せて云ふ、更に別事なし。山の堂衆搦むる間の事と云々。院に参ぜしめ給ふ(御共の人、多く参ぜず)。ー略ー。 日入るの後、院に参ず。指したる事無しと雖も、良夜に依りて、参入す。具親同じく参ず。世間を憚りて、其の沙汰無し。
View Article明月記 建仁二年八月十三日 撰歌眼精疲労
明月記 建仁二年 八月 十三日。天晴る。一昨日より右目大いに腫る。撰歌の間、眼精尽くるか。両日扶けて出仕す。夜前より蟇の如く腫る。仍て出仕を止め了んぬ。
View Article明月記 建仁三年四月十一日 新古今撰歌提出期限
明月記 建仁三年 四月 十一日。天晴る。早旦、還御の由を聞く。仍て京極殿に参ず。巳の時許りに、入りおはします。近臣浄衣を着し、多く水無瀬殿供奉に参ずと云々。皇后宮大夫、予、布衣にて此の御所にあり。信雅布衣にて供奉す。自余、皆御共にあらずと雖も、浄衣、垂袴、立烏帽子、道は烏帽子、脛巾、つらぬきなり。即ち退出す。...
View Article定家の部類時の病気 かささぎの渡せる橋
明月記 元久元年 九月 二十四日 帰宅するの後、殊に病悩。 卅日(晦) 病気滅無し。 十月 六日 病気滅無きに依り、出仕せず。 十五日 病気不快にて参ぜず。見物せず。 十一月 二日 病後、初めて院に参ず(昨日、五辻殿に還りおはします)。相次で殿に参ず。...
View Article明月記 元久二年二月二十日 家長盃酌
明月記 元久二年 二月 廿日。天陰り。雪飛ぶ。早旦嵯峨を出でて、冷泉に帰る(今日、皆人々を相具す)。巳の時許りに院に参ず。終日、日謁。兵衛佐具親、宗宣、家長等、此の事を沙汰す。家長、盃酌を行ふ。去年、予此の事に接せず。所役を果すべきの由、各々之を示す。憖に領伏す。今日、最勝寺に御幸。出でおはしまし、入りおはしますの両度、下り立つ。身を憚ると雖も、憖に出で現はる。
View Article柿本人麻呂 公任 画家不明歌仙絵コレクション
所思婦 具不念遠新 志末閑久禮由 濃浦之朝霧尓 保農〃東明石 左 柿本人丸 古今集巻第九 羇旅歌 ほのぼのと明石の浦の朝霧に島隠れ行く舟をしぞ思ふ 公任三十六人撰 和漢朗詠集 古今六帖 添付不明紙 平成30年12月20日 弐點壱
View Article昔男時世妝 東下り2
あづまくだりの段 此つぎが三河の国八はしの段。いかさま爰は ちと跡もどりのやうにも有が、そこを八橋といふは、水ゆく川 のくも手とて、あちらへくるり、こちらへくるりと、川の瀬の付 た所をその瀬なりに板橋をば、八所は渡しけるか。見ぬ事なれば 誰も推量。今はその跡とて、浄土宗の小寺有て、庭に少し の池有。そこに昔の杜若の殘とて、ちよとしるし斗植ら...
View Article雑哥上 慈円 海辺月
新古今和謌集巻第十六 雜歌上 和謌所の歌合に 海邊月といふことを 前大僧正慈圓 和哥の浦に 月の出しほの さすままに よる 啼く鶴の 聲ぞか なしき 読み わかのうらにつきのでしおのさすままによるなくたづのこえぞかなしき 慈円。天台座主を4度も勤めた。九条兼実の同母弟。甥の良経に歌を指導。その子の道家の後見。 備考 卿相侍臣歌合 六義園 出汐湊
View Article恋歌五 山・路・空 筆者不明断簡コレクション
思出やみのゝおやまのひとつまつちぎりしことはいつもわすれず 業平朝臣 いでゝいにしあとだにいまだかはらぬに○がかよひぢといまはな るらむ 梅花香をのみ袖をとゞめおきて我思人はおとづれも せぬ 斎宮女御につかはしける 天暦御哥...
View Article昔男時世妝 東下り3
あづまくだりの段 扨それよりふじの山を見あげ給へば、すでに五 月の晦日に、雪いとしろうふれり。爰の躰を、業平のあづま 下とて、繪などにも、業平は馬にめし、ちいさい童子がお○○ をかたげ白丁着た痩親仁が、立傘を持てふりかへり冨士山 を見てゆく所をかく。何様ふじの山の姿、原よし原より見る時 は、左右へ流れし山の裾、いまは煙はたゝねども、成ほど夏の季...
View Article和漢朗詠集1 蝉 筆者不明巻子本コレクション
鳥 下 緑 蕪 秦 苑 寂 蝉 鳴 黄 葉 漢 宮 秋 なつ 空に 山の ぞ せみ みねの の 梢 こゑは の たか き ければ こゆる 和漢朗詠集 蝉 題咸陽城東棲 許渾 鳥緑蕪に下りて秦苑寂かなり。 蝉黄葉に鳴いて漢宮秋なり。 作者不詳 夏山の峯の梢の(し)高ければ...
View Article和漢朗詠集2 郭公 筆者不明巻子本コレクション
一 聲 山 鳥 曙 雲 外 万 點 水 蛍 秋 草 中 行 やら 今 で ひと こゑ 山路 の くらし つ き かま ほとゝ ほし ぎす さに 郭公 題発幽居将尋同志 許渾 一声の山鳥は曙雲の外、 万点の水蛍は秋草の中、 拾遺 源公忠...
View Article和漢朗詠集3 秋夜 筆者不明巻子本コレクション
燕 子 楼 中 霜 月 夜 穐 来 只 為 一 人 長 あし 曳の なが/"\ し 山どり 夜を の 尾 ひとり の かも しだり ねん おの 秋夜 燕子楼 白居易 満窓の明月満簾の霜。 被は冷やかに燈は残れて臥床を払ふ。 燕子楼の中霜月の夜、 秋来りてはたゞ一人のために長し...
View Article和漢朗詠集4 三月三日付桃花 筆者不明巻子本コレクション
春 来 遍 是桃 花 水 不 辧 仙 源 何 處 尋 三 千とせ はな に さく なる 春に てふ なりに 桃の ける かな ことし より 三月三日付桃花 桃源行 王維 春来っては遍くこれ桃花の水なれば、 仙源を弁へず何れの処にか尋ねむ。 拾遺 凡河内躬恒...
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