曲 驚 楚 客 秋
絃 馥 夢 断 燕
姫 暁 枕 薫
ぬし
しらぬ たが
香 ぬぎ
かけし
こそ
にほへ
れ ふぢ
秋の ばかま
野に ぞも
蘭
蘭気入軽風 橘直幹
香蘭と衆草は種相分れ、
況んや軽風入りて気は群ず。
臨水に魚底より浪は襲来し、
満皐は吹き鶴間雲を染む。
曲驚いて楚客の秋の絃馥し、
夢断えて燕姫が暁に枕に薫ず。
移植若くは新雨露に逢へば
毎秋猶清芬の播くを欲す。
古今集 素性法師
ぬし知らぬ香こそにほへれ秋のゝに
誰がぬぎかけしふぢばかまぞも
約640×31cm
平成30年12月25日 參點壱