風 従 昨 夜 聲
弥 怨 露 及 明
朝 涙 不 禁
一とせ
に ぬる
ひと よの
夜と かず
おもへ ぞ
ど
たな すくな
ばたの かり
けり
七夕
代牛女惜暁 大江朝綱
風は昨夜より声いよいよ怨む
露は明朝に及んで涙禁ぜず
枕草子
四月のつひたちごろ、細殿の四の口に殿上人あまた立てり。やうやうすべり失せなどして、ただ頭中将、源中将、六位一人残りて、よろづの事言ひ、経よみ、歌歌ひなどするに、明け果てぬなり。帰りなむとて露は別れの涙なるべしといふ事を、頭の中将のうち出だしたまへれば、源中将ももろともに、いとをかしく誦んじたるに、
本説
新古今集 秋歌上
題知らず 相模
あかつきの露もなみだもとどまらで恨むる風の声ぞのこれる
拾遺 紀貫之
ひととせにひと夜と思へどたなばたの
あひみる秋のかぎりなきかな
が正しい。類歌不明。
約640×31cm
平成30年12月25日 參點壱