山部宿祢赤人望不盡山歌一首并短歌
天地之 分時從 神左備手 高貴寸
駿河有 布士能高嶺乎
天原 振放見者 度日之 陰毛隠比
照月乃 光毛不見 白雲母 伊去波伐加利
時自久曽 雪者落家留 語告
言継将徃 不盡能高嶺者
田兒之浦從打出而見者真白衣
不盡能高嶺尓雪波零家留
刻字は神宮文庫本万葉集による
山部赤人富士山を望む歌
天地の 別れし時ゆ 神さびて 高く貴き
駿河なる 富士の高嶺を
天の原 振り放け見れば 渡る日の 影も隠らひ
照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり
時じくぞ 雪は降りける 語り継ぎ
言ひ継ぎ行かん 富士の高嶺は
田子の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ
富士の高嶺に雪は降りける
新古今和歌集巻第六
冬歌
題しらず 山部赤人
田子の浦にうち出でて見れば白たへの富士の高嶺に雪は降りつつ
静岡県富士市
ふじのくに田子の浦みなと公園