建暦元年(1211年)十月十三日
鴨社の氏人菊大夫長明入道《法名蓮胤》、雅經朝臣の擧により、この間、下向す。將軍家に謁し奉ること、度々に及ぶと云々。しかるに今日、幕下將軍の御忌日に当たり、彼の法花堂に參り、念誦し讀經の間、懷舊の涙、頻りに相催す。
一首の和歌を堂の柱に註す。
草モ木モ靡シ秋ノ露消テ空シキ苔ヲ払フ山風
↧
吾妻鏡 長明
↧
建暦元年(1211年)十月十三日
鴨社の氏人菊大夫長明入道《法名蓮胤》、雅經朝臣の擧により、この間、下向す。將軍家に謁し奉ること、度々に及ぶと云々。しかるに今日、幕下將軍の御忌日に当たり、彼の法花堂に參り、念誦し讀經の間、懷舊の涙、頻りに相催す。
一首の和歌を堂の柱に註す。
草モ木モ靡シ秋ノ露消テ空シキ苔ヲ払フ山風