Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4434

水 附漁夫 菅原道真 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション

$
0
0


閑居属於誰
人紫宸殿之
本主也秋水見
於何處朱雀
院之新家也


和漢朗詠集 水
閑居樂秋水序 菅原道真閑居屬於誰人  閑居は誰人にか属する
紫宸殿之本主也 紫宸殿の本主也
秋水見於何處  秋水は何れの処にか見る
朱雀院之新家也 朱雀院の新家也非智者不樂之  智者にあらざればこれを楽しばず故得我君之歡脱屣 故に我が君のこれ脱屣(だっし)を歓ぶることを得たり非玄談不説之  玄談にあらざればこれを説かず故遇我君之逐虚舟 故に我が君のこれに虚舟を逐むことを遇へり
觀夫月浦蕭蕭  観れば夫れ月浦蕭々たり分鏡水而繞籬下 鏡水分ちて籬下を繞らす砂岸爛爛    砂岸瀾々たり縮松江而導階前 松江を縮めて階前に導く
況乎      況んや垂釣者不得魚  釣を垂るゝ者は魚を得ず
暗思浮遊之有意 暗(そら)に浮遊の意(こゝろ)あることを思ふ
移棹者唯聞雁  棹を移す者は唯雁を聞く
遥感旅宿之随時 遥に旅宿の時に随ふことを感ず隨時      時に随ふことを嗟乎節過重陽  ああ節の重陽を過ぎて殘菊猶含舊氣  残菊猶旧気を含めり心期百歳    心百歳に期して老松彌染新青  老松いよいよ新青に染みにたり
風月同天    風月天に同じけれども閑忙異地    閑忙地を異にす臣昔是伏奏青瑣之職 臣昔は是奏せし青瑣に伏すの職なりき臣今亦追從綠蘿之身 臣今は亦従する緑蘿に追ふ
彼一時也    彼も一時也此一時也    此しも一時也形骸之外    形骸の外に言語道斷焉   言語道断にたり焉任放之間    任放の間に紙墨自存矣   紙墨自らに存すと矣
云尓謹序    云ふこと尓り謹むで序す(菅家文草巻第六 九日後朝、侍朱雀院、同賦閑居楽秋水、應太上天皇製并序)※斜め文字は和漢朗詠集水に同じくある。
意訳悠々と閑居に住まわれるのは誰か?それは紫宸殿の主上であった宇多上皇である。秋の水をつくづくと眺めて楽しむ所はどこか?上皇がお住まいになる三条北朱雀西の朱雀院のである。


令和元年12月20日 肆點參

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4434

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>