Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

和漢朗詠集 春5 元禄五年本

$
0
0
                        藤滋 花悔帰根無益悔鳥期入谷定延〔期〕
さくらばなはるくわゝれるとしだに〔も〕  人のこゝろにあかれやはせね  伊勢  鴬                       賈嶋 鶏既鳴忠臣待旦鴬未出遺賢在谷                       謝觀 誰家碧樹鴬啼而羅幕猶垂   幾處華堂夢覚而珠簾未卷                       稹 咽霧山鴬啼尚少穿砂葦笋〔葉纔分〕                    清原滋藤 花の根に帰らむ悔れども悔るに益無く、 鳥は谷に入ことを期すれども定めて〔期を〕延らむ。     古今集  弥生にうるふ月ありける年よめる   伊勢 桜花春くははれる年だに〔も〕人の心にあかれやはせね  伊勢 ※粘葉本では「あかれやはする」とある。    鳳為王賦           賈嶋 鶏既に鳴て忠臣旦(あした)を侍。鴬未だ出ず遺賢(ゐけん)谷に在。  暁賦             謝觀 誰が家の碧樹にか鴬啼て羅幕(らばく)なお垂たる。 幾く処の華堂にか夢覚て珠簾(しゅれん)未だ卷かず。  早春尋李校書         元稹 霧に咽ぶ山鴬は啼くなお少れなり。 沙を穿つ葦笋(ろじゅん)は〔葉纔(わず)かに分〕てり。
                        白 䑓頭有酒鴬呼客水面無塵風〔洗池〕                       白
鴬聲誘引来花下草色拘留坐水邊                       菅三品 感同類於相求離鴻去鴈之應春囀   會異氣而終混龍吟魚躍之伴曉啼
                      菅三品 燕姫之袖暫収猜繚亂於舊拍   周郎之簪頻動顧間関於新花                       菅丞相 新路如今穿宿雪舊巣為後属春雲  
   奉和思黯自題南荘見示兼呈夢得  白居易 台の頭に酒あり鴬客を呼。水の面に塵無く風〔池を洗ふ〕    春江              白居易
鴬の声誘引せられて花下に来、草の色に拘留せられて水辺に坐す。    仲春内宴侍仁寿殿  同賦鳥声韻管弦応製       菅原文時 同類を相求るに感ず。離鴻去鴈(りこうきょがん)の春の囀に応ず。 異気に会めて終に混ず。龍吟魚躍(りょうぎんぎょやく)の暁に啼を伴ふ。
 同               菅原文時 燕姫が袖暫く収て、繚乱(りょうらん)を旧拍を猜む。 周郎が簪頻に動て間関を新花顧る。  早春内宴侍清涼殿同賦鴬出谷応製                  菅原道真 新路は如今(いま)宿雪を穿つ。旧巣は後の為属春雲〔に〕属す。  


                      菅三品 西楼月落花間曲中殿燈残竹裏〔音〕 あらたまのとし立かへるあしたよ〔り〕  またるゝものはうぐひすの聲   素性 あさみどりはるたつそらにうぐひすの  はつこゑまたぬ人はあらじな  麗景殿女御 うぐひすのこゑなかりせばゆきゝえぬ  山ざといかではるをしらまし   中務  霞                       白居易 霞光曙後殷於火草色晴来嫩似煙                       菅丞相 鑽沙草只三分許跨樹霞纔〔半段餘〕        宮鴬囀暁光詩         菅原文時 西楼に月落て花の間の曲、中殿に灯残て竹裏の〔音〕   拾遺集  延喜御時月次御屏風に     素性法師 あらたまの年立返るあしたよ〔り〕待たるるものはうぐひすの声   続後撰集  麗景殿の女御の屏風に     紀貫之 あさみどり春立つ空にうぐひすの初声待たぬ人はあらじな ※続後撰集では紀貫之作とし、「初音を待たぬ」としている。   拾遺集  天暦十年三月廿九日内裏歌合に 中務 鴬のこゑなかりせば雪消えぬ山里いかで春を知らまし      早春晴寄蘇州夢得        白居易 霞の光は曙て後火りも殷(あか)し。草の色は晴れ来て煙に似て嫩(わか)め  同賦春浅帯軽寒応製       菅原道真 沙を鑽(き)る草は只三分許り、樹に跨(またが)る霞は纔(わずか)に〔半段余り〕    

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>