こ べつり
古別離
もうこう
猛郊
欲別牽郎衣郎今到何處不恨
歸来遅莫向臨卬去
わかれんとほつしてらうがころもをひく。らういまいづれのところに
いたる。きらいのをそきをうらみず。りんかうにむかつてさることなかれ。
わかれぎはにおつとの袖をひかへて今いづくへさこしなさるしかしらぬがさかへりのをそいは
うらみませねど、しばさうじよがたくぶんくんをつれてかけおちしたやうなことをなさくれ
と也。たくぶんくんの事せんちうにくはし。ひなうたに曰◯今でゝいづくへこさるよ
をそいかへりはうらみもせぬがよそのはなをばおらんすな。
古別離 孟郊
別れんと欲して郎が衣を牽く。
郎、今何れの処に到る。
帰来の遅きを恨みず。
臨卬(りんごう)に向かって去ることなかれ。
意訳
今別れようとする時、夫の衣を引いて
貴方、今どこへ行かれますか。
帰宅が遅くなっても怒りません。
ただ、美人の多い臨卬へは行かないでね。
※古別離 楽府題。
※欲別 今まさに別れようとする時。欲求すると言う意味では無い。
※臨卬 四川省成都の西南。漢代に宅文君と言う美人がいて、文人司馬相如が、色香に迷って駆け落ちした故事から、美人の多い町に行かないでとしている。
唐詩選画本 五言絶句 巻第五
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