よるそんさんじんに しよくはうぎ
寄孫山人 儲光義 しんりんじげつこしうかへる。みづはみちせいこうにはなはみつやまに。 新 林 二 月 孤 舟 還 水 満 清 江 花 滿 山 しやもんすこゑんのいんくんし。じつ〃らいおうしてじうすかとにんげんに。 借 問 故 園 隠 君 子 時 〃 来 往 住 人 間 しんりんは地名なり。はるけしきおもろかうふとおもひこきやうのしんりんのうらべに二月じぶんふねにさほ さして帰りてあれば春水もせい/\とたゝへてこゆるはなもまづさい中と山〃に見るにさいてあるさだめてそん さんじんもこれと見ているであろうふなんでもありやとおもひたづねたればおもひのほかところへか行ていられぬ 隠君子なれば人間にまじわりそふもないものじやが人間にも住居していらるゝがてんのゆかぬ事でこそあれ
孫山人に寄す 儲光義 新林二月、孤舟還る。 水は清江に満ち、花は山に満つ。 借問す、故園の隠君子、 時々来往して人間に住すかと。 意訳 林の若葉が芽吹く二月、私は一双の小舟で故郷に還ってきた。 春水は清らかな江に満ちて、花は山に満ちている。 ところで、故郷の隠君子に問うのだが、 時々は、俗世間へ出て来て、とどまっているのですか。 ※孫山人 山人は隠棲している者の敬称で、孫氏は不明。 ※新林 芽吹いたばかりの林。本書の地名とあるのは、南京の新林浦を指すと考えている。 ※故園 作者の故郷兗州(山東省兗州区)の園 唐詩選画本 七言絶句 巻第五