たてまつるわしげんむがぐんじやうのそうしう と ほ
奉 和 嚴 武 軍 城 早 秋 杜甫
しうふうしやく/"\としてうごかすかうせいを。ぎよくてうわかつてゆみをいるりよゑいを。
秋 風 嫋 〃 動 髙 旌 玉 帳 分 弓 射 虜 營
すでにおさめててきはくうんかんのじゆを。ほつすうばわんとふうばゆきくはいのじやうを。 已 収 滴 博 雲 間 戍 欲 奪 蓬 婆 雪 外 城 あきのことなれば、かぜがじやう/\とふきぢんやにおりくたてゝあるはたをなびかす。せいずつのしふんゆへ大将のてう◯く に大せいきているに、弓とわかち、てわけをして、胡のぢんへ矢をいかけて、たゝかいまいれどいゝつける。はやたゝかひかつて、 てきはくのちを、けんむが、かさでおさめたれば、そのちの雲間のたかき戍ろうをたてゝ、ばんての とのをおく。そのかうにぜ引きて、ほうばせらあたりも、みなうばいとり、ばつかにしたがへんとせらるゝ。
厳武が「軍城の早秋」和し奉る 杜甫 秋風、嫋嫋(じょうじょう)として高旌(こうせい)を動かす。 玉帳弓を分って、虜営を射る。
已に滴博雲間の戍を収めて 蓬婆(ほうば)雪外の城を奪わんと欲す。 意訳 戦の兆候を告げる秋風が、嫋嫋と吹いて、高く掲げた皇帝から賜った旗印を翻す。 将軍の陣屋では、兵士にそれぞれ武器が配られ、夷狄の軍営に向けた矢が放たれる。 既に、雲間に見える滴博の砦は我が軍が抑えている。 更に、雪山の向こうの蓬婆山の城を、今奪わんとしている。 ※厳武 成都の節度使で、杜甫を経済援助していた。 ※軍城早秋 厳武が作った七言絶句で、唐詩選に撰詩されている。 昨夜秋風入漢関朔雲邊月満西山更催飛将追驕莫遣沙場匹馬還 ※秋風 秋になると軍を発して征伐に出かける季節を意味する。 ※嫋嫋 秋の長く柔らかく吹く風の音、様子。楚辞にある。 ※高旌 皇帝から節度使に賜る旌節の印である旗 ※玉帳 総司令官の陣屋 ※虜営 異民族の陣営 ※滴博 四川省北西部の山 ※戍 砦 ※蓬婆 岷山地にある雪山の更に北にある山だが、詳細は不明 唐詩選画本 七言絶句 巻第五
すでにおさめててきはくうんかんのじゆを。ほつすうばわんとふうばゆきくはいのじやうを。 已 収 滴 博 雲 間 戍 欲 奪 蓬 婆 雪 外 城 あきのことなれば、かぜがじやう/\とふきぢんやにおりくたてゝあるはたをなびかす。せいずつのしふんゆへ大将のてう◯く に大せいきているに、弓とわかち、てわけをして、胡のぢんへ矢をいかけて、たゝかいまいれどいゝつける。はやたゝかひかつて、 てきはくのちを、けんむが、かさでおさめたれば、そのちの雲間のたかき戍ろうをたてゝ、ばんての とのをおく。そのかうにぜ引きて、ほうばせらあたりも、みなうばいとり、ばつかにしたがへんとせらるゝ。
厳武が「軍城の早秋」和し奉る 杜甫 秋風、嫋嫋(じょうじょう)として高旌(こうせい)を動かす。 玉帳弓を分って、虜営を射る。
已に滴博雲間の戍を収めて 蓬婆(ほうば)雪外の城を奪わんと欲す。 意訳 戦の兆候を告げる秋風が、嫋嫋と吹いて、高く掲げた皇帝から賜った旗印を翻す。 将軍の陣屋では、兵士にそれぞれ武器が配られ、夷狄の軍営に向けた矢が放たれる。 既に、雲間に見える滴博の砦は我が軍が抑えている。 更に、雪山の向こうの蓬婆山の城を、今奪わんとしている。 ※厳武 成都の節度使で、杜甫を経済援助していた。 ※軍城早秋 厳武が作った七言絶句で、唐詩選に撰詩されている。 昨夜秋風入漢関朔雲邊月満西山更催飛将追驕莫遣沙場匹馬還 ※秋風 秋になると軍を発して征伐に出かける季節を意味する。 ※嫋嫋 秋の長く柔らかく吹く風の音、様子。楚辞にある。 ※高旌 皇帝から節度使に賜る旌節の印である旗 ※玉帳 総司令官の陣屋 ※虜営 異民族の陣営 ※滴博 四川省北西部の山 ※戍 砦 ※蓬婆 岷山地にある雪山の更に北にある山だが、詳細は不明 唐詩選画本 七言絶句 巻第五