八雲御抄 正義部 贈答 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 贈答 是は、哥を返すを云。極て大事なる事也。人の安思 ひて、おかしげにかへすは、見苦事也。返す樣もさま /"\なり。たとへば、たゞ人の返事をするも、何事か などいへる返事に、なにごと候はずなどもいふ。又、別 事も候はずなども云躰に、いふところの詞をぐし て、かへす事も有。心はおなじ事なれど、詞をかへて...
View Article歌論 無名抄 とこねの事
或人云ある哥合に五月雨の哥にこやのとこねも うきぬべきかなとよめりしかあるを清輔朝臣 判者にてとこねといふ事きゝよからずとて まけたり。このみちのはかせなれどもこの事 心をとりせしか。 後撰云 たけちかくよどこねはせじうぐひすの なくこゑきけばあさいせられず とよめり。この哥をおぼえざるにやと云々。この難 はなはだつたなし。すべて和哥の躰を心えざる...
View Article唐詩選画本 重贈鄭錬 杜甫 蔵書
かさねておくるていれんに 重 贈 鄭 錬 と ほ 杜 甫 ていしまさにゆかんと 鄭 子 將 行 やむ ししんを 罷 使 臣 のうになしいちぶつの 嚢 無 一 物 けんづるそんしんに 献 尊 親 こうざんみちとをし 江 山 路 遠 き りの ひ 羈 離 日 きうばたれかたらん 裘 馬 誰 為 かんげきのひと 感 激 人 このひとは、こきやうへゆかん とて、くわんをやめてゆか...
View Article八雲御抄 正義部 異体 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 異躰 たとへば、やう/\の雑躰をよむ也。定たる名もなけれ共、 人々の思ふまゝに、今もいにしへも詠也。無同字哥とて 世のうきめ見えぬ山ぢへいらむには おもふ人こそほだしなりけれ などいふ躰の事、是ならずも多。題につきても、 又、字につきてもおほし。万葉に ねづみのいゑよねつきふるひ木をきらで ひきゝりいだすよつといふやこれ...
View Article唐詩選画本 奉和厳武軍城早秋 杜甫 蔵書
たてまつるわしげんむがぐんじやうのそうしう と ほ 奉 和 嚴 武 軍 城 早 秋 杜甫 しうふうしやく/"\としてうごかすかうせいを。ぎよくてうわかつてゆみをいるりよゑいを。 秋 風 嫋 〃 動 髙 旌 玉 帳 分 弓 射 虜 營すでにおさめててきはくうんかんのじゆを。ほつすうばわんとふうばゆきくはいのじやうを。 已 収 滴 博 雲 間 戍 欲 奪 蓬 婆 雪 外 城...
View Article八雲御抄 正義部 連歌 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 連哥 昔は、五十韻百韻とつゞくる事はなし。たゞ上句 にても、下句にても、いひかけつれば、いまながらを付け るなり。今の樣にぐさる事は、中比よりの事也。賦物など も、中比よりの事歟。万葉㐧八、尼がしたるを、家持卿付也。 さほ川の水をせきあげてうへし田を 家持曰 かるはついひはひとりなるべし 是、連歌根源也。其後、或先下後に付上。又普通に...
View Article注意喚起 ショートメール詐欺
先ほどこのようなメールが届いた。検索すると詐欺だったのでご注意を。宅配業者装うSMSに注意 スマホ乗っ取られ詐欺に悪用:朝日新聞デジタル 宅配便業者をかたる虚偽のショートメッセージサービス(SMS)の指示に従ったら、電話番号が乗っ取られて詐欺に使われた――。愛知県警が、こんな被害を確認した。情報を流出させる不正アプリが、知らぬ間に携帯…宅配業者装うSMSに注意...
View Article唐詩選画本 解悶 杜甫 蔵書
とくもん 解悶 と ほ 杜甫 ひとたびじしてここくとたび 一 辭 故 國 十 ふあきを 経 秋 ごとにみるしうくはをおもふ 毎 見 秋 瓜 憶 こきうを 故 丘 こんにち なん こ とる 今 日 南 湖 采 びけつを 薇 蕨 なんびとがためにもとむてい 何 人 為 覓 鄭 くは しう 瓜 州 こきやうをでゝより、としひさしく りよかくとなりて、十ねんにもなる。...
View Article八雲御抄 正義部 八病 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 八病 㐂撰式 一 同心病 或号、和褻䏈病 是、同事の二句にある也。ならひぬるは、不◯之。 我宿は道もなきまてあれにけり つれなき人を待とせしまに 遍昭 さかざらん物とはなしにさくら花 おもかげにのみまだき立らん 躬恒 なき二あり、らむ二あり。かゝる哥、昔は数しらず。 今も撰集に多し。俊成古來風躰曰、「八病中是等可去。...
View Article唐詩選画本 書堂飲既夜復邀李尚書下馬月下賦 杜甫 蔵書
しよどうのいんすでによにしてまたむかへてりしやうしよを書 堂 飲 既 夜 復 邀 李 尚 書 おりむまよりげつかにふす と ほ 下 馬 月 下 賦 杜甫 こげつりんぷうあいともにきよし 湖 月 林 風 相 與 清 ざんそんおりてむままたかなしくかたむく 殘 尊 下 馬 復 同 傾 ひさしくすつやくはくのところなるそうひんの 久 弃 野 鶴 如 雙 髩...
View Article八雲御抄 正義部 四病 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 四病 㐂撰式 㐧一句始、㐧二句始同也。俊頼一 岩樹病 「其比病は可去」といへり。 夏ふかくなりぞしにけるおほわらきの もりのした草なべて人かる あまの河あさせしら浪たどりつゝ わたりはてねば明ぞしにける 「夏ふかく」の「な」と「成ぞ」の「な」と也。「白露も時雨もいたく」、 「秌のよのなるもしらず」などかずしらず。 二 風燭病...
View Article唐詩選画本 塞下曲 其一 常建 蔵書
さい かの きよく じやうけん 塞 下 曲 常 建 ぎよくはくてうくはいしてのぞむていけいを。 を そん かへりさつて ず しやうせおうと 玉 帛 朝 回 望 帝 亰 鳥 孫 帰 去 不 稱 王 てん がい しづかなるところなし せいせん。 へい き せうして なるじつげつのひかりと 天 涯 静 處 無 征 戦 兵 氣 銷 為 日 月 光...
View Article八雲御抄 正義部 七病 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 七病 濱成式 一 頭尾病 發句終㐧二句終同 春ふかみゐでの川浪立かへり みてこそゆかめやまぶきの花 秌のたのかりほのいほの苫をあらみ 我衣手はつゆにぬれつゝ 春深みの「み」とゐでの河浪の「み」と也。此等はさたの外の事也。 二 胸尾病 發句終㐧二句上六字同也。 なにしをはゞ秋ははつとも松虫の 聲はたえせずきかんとぞ思ふ と山にはしばの下葉もちりはてゝ...
View Article唐詩選画本 塞下曲 其二 常建 蔵書
その に 其 二 ほつかいのいんぷう 北 海 陰 風 うごかしちをきたる。めい 動 地 来 明 くんしじやうのぞむ 君 祠 上 望 りやうたいを。どくろ 龍 堆 髑 髏 こと/\くこれちやうじやう 盡 是 長 城 そつじつぼしや 卒 日 暮 沙 ぢやうとんでなるはいと 塲 飛 㑅 灰 めいくんは、しやうくんのはかなり。 ゑびすのほつかいから、すさまじい...
View Article八雲御抄 正義部 歌合子細(上) 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 哥合子細 難事也 一 一番左は、可然人得之。但、髄題能因孝善(然人家忠)例也。一番 左哥は不可負。先例負も多為持。右勝事、弘徽殿女御 哥合(義忠判)左相模負、侍従乳母。又、法性寺関白家哥合、左 俊頼負、右源定信云作者、旁不可為例。其外小野宮大 臣哥合有例歟。非普通事。仰雲泥事古來不及左右事 歟。句並ぬるは、普悪不為病わざと詠也。上古、中古それを...
View Article唐詩選画本 送宇文六 常建 蔵書
おくるうぶんろくを じやうけん 送宇文六 常 建 はな ゑいしてすいやうに かん すい きよし。 び ふう りん り いつ し かろし。 花 映 埀 楊 漢 水 清 微 風 林 裏 一 枝 軽 そく こん こう ほくかへつてごとくかくの。ゆう さいす こう なん りべつのじやう。 卽 今 江 北 還 如 此 愁 殺 江 南 離 別 情...
View Article八雲御抄 正義部 歌合子細(中) 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 一 同さまにて、あらぬ事、たとへば、「よそなれど杉のむら 立しるければ君がすみかの程ぞしらるゝ」是は哥 合ならねど、經信、後拾遺問答難之。しるければといふと しらるゝとは、文字異なり、或為難、或不難、哥合に不 難事も有、又難事も有。撰集には皆多以入之云々。 かぞふれば空なる星もしる物を なにをつらさの数にをかまし これは、計と数と也。高陽院哥合に通俊が...
View Article唐詩選画本 三日尋李九荘 常建 蔵書
さんじつたづぬるりきうそう 三日尋李九荘 じやうけん 常 建 あめはやむやうりん 雨 歇 楊 林 とうとのほとり 東 渡 頭 ゑいくはさんじつ 永 和 三 日 うごかすけいしうを 盪 軽 舟 こじんのいゑはあり 故 人 家 在 とうくはのきしに 桃 花 岸 たゞちにいたるもんぜん 直 到 門 前 けいすいのながれに 渓 水 流...
View Article八雲御抄 正義部 歌合子細(下) 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 一 わざとよみたる同事、病にて病ならず。たとえば、徽 子哥合勝。やへさけるかひこそなけれ款冬のちらばひ とへもあらじとおもへば 又、寛和(勝長能) ひとへだにあらぬ心をいとゞしく やへかさなれる山ぶきのはな 又、「ねぬる夜の夢をはかなみまどろへばいやはかな にも」などいへるなり。 一 風と木からしと、六帖 木がらしの音きく秌はすぎにしを...
View Article唐詩選画本 九曲詞 髙適 蔵書
かうてき 髙適 きうきよくし 九曲詞 てつば おうかうす てつ 鐵馬横行鐵 れい とう 嶺頭 にしのかたみてらさをとる 西看邏逤取 ふうこうを 封侯 せいかいたゞいままさにす 青海只今將 みづかわんとうまに 飲馬 くはうが ずもちいさらに 黄河不用更 ふせぐことをあきを 防秋 われもなにとかな、功をたてやうとおもふて てつばのてつよきむまにのり、てつれい とうあたりを...
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