福運の 松の镹 來て 若水や よき 松の あとを とし 朶の花 くむ 蝉の 閑や 聲 岩に し み 入る
梅經 寒苦發 清香 金星作
田村金星作 明治29年 石川県旧松任市に生まれる 明治44年 細字修行開始 大正13年 独立開業 昭和40年 小松市無形文化財 昭和51年 石川県指定無形文化財 九谷焼技術保存会会員 昭和62年 死去
石川県指定無形文化財 九谷焼技術保存会会員 小松市無形文化財保持者 九谷 細字師 金星 印
新 古 今 集 賀 歌 高き屋にのぼりてみればけぶりたつ民のかまどはにぎはひにけり 初春の初子のけふの玉ばゝき手にとるからにゆらぐ玉の緒 子の日してしめつるのべの姫小松ひかでや千代のかげをまたまし 君が世の年のかずをば白妙の浜の真砂とたれかしきけむ わかなおふるのべといふのべを君が為万代しめてつまむとぞ思ふ ゆふだすき千とせをかけて足引の山藍の色はかはらざりけり 君が代にあふべき春のおほければちるともさくらあくまでぞみむ 住の江の浜の真砂をふむたづは久しきあとをとむるなりけり 年ごとに生ひそふ竹の世々をへてかはらぬ色をだれとかはみむ 千とせふるおのへの松は秋風の聲こそかはれ色はかはらず 山河の菊の下水いかなればながれて人のおいをせくらむ 祈りつゝなを長月の菊の花いづれの秋かうゑてみざらむ 山人の折る袖にほふ菊の露うちはらふにも千代はへぬべし 神無月もみぢもしらぬ常磐木に万代かかれみねのしら雲 山かぜはふけどふかねどしら波のよする岩根は久しかりけり 子の日する 野辺の小松を うつし植ゑて とし の尾 長く君ぞひく べき くもりなく千とせにすめる水の面にやどれる月の影ものどけし 池水の世々に久しくすみぬればそこの玉藻も光みえけり 君が代の千とせのかずもかぎりなくくもらぬ空の光にぞみる 住の江においそふ松の枝ごとに君が千とせのかずぞこもれる 万代を松の尾山のかげしげみ君をぞいのるときはかきはに 相生のをしほの山の小松原いまより千代のかげを待たなむ 子の日するみがきの内の小松原千代をばほかの物とやはみる 君が代は久しかるべきわたらひやいすゞの川のながれたえせで 常磐なる松にかゝれる苔なれば年の尾長きしるべとぞ思ふ 君が代にあへるはだれもうれしきを花は色にもいでにけるかな 身にかへて花もおしまの君が代にみるべき春のかぎりなければ 天の下めぐむ草木のめもはるにかぎりもしらぬみよのすゑ/\ おしなべて木のめも春のあさみどり松にぞ千代の色はこもれる 敷嶋ややまとしまねも神代より君が為とやかためおきけむ ぬれてほす玉ぐしのはの露霜に天てる光いく代へぬらむ 八十二翁 金星書
令和2年11月5日 七點七伍