さんでうおゝはし三條大橋
瑞 泉 寺
瑞泉寺は三条小橋の南にあり。浄土宗にして、本尊阿弥陀佛は聖徳太子 の作なり。開基は三空桂叔和尚。本願は関白秀次公の母堂瑞龍院なり。 秀次公追悼の為に建立し給ふ。(則ち秀次公を 瑞泉院殿と号す)文禄年中に秀次公 太閤秀吉公に對して逆心の企あるよし。故に紀州高野山に入ツて自殺す。
首を取ツて三条河原に梟け又三十余人の妾婦并に稚子共此所におゐ て斬罪して同穴に埋む。其後塚を築て上に截石あり。銘に日秀次悪逆 塚文禄四年七月十五日と書す。(傍に石塔婆あり。妾婦三十余人の墳なり。 悉法名をきざむ。世に畜生塚といふは非なり)