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今こなたのちやうしやのかたへゆかるゝゆへにしゆゑんをもよほしこのこうろうてしつてわかるゝこうしもあき ゆへきつゆをともじゆくしてて香はしうにほふじふんこなたこの処よりのりゆく舟のうへを江風がふいて あめをひいてすゝしい・ゆくさきのかくしうをおもひやりこれからせうさんあたりへゆかれたならはつ きを見てさへあわれにおもふものしやにさるのこゑのすみわたつてなかくなくのをゆめの夜 すからきかれたならは夜もねられすうれいていらるしであろふ。いたわしい事じや。 姜しくは箋注又は講釈の本を島山房にてもとめ見るへし。
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意訳送別の酒に酔って川岸の楼閣を出ようとすると、柑橘類の花の香りが漂っている。川風が、雨と共に船の中に吹き込んで少し涼しい。君と別れた後は、私は洞庭湖の君山島に照る月の中で君を思って、夢うつつで清らかな猿の鳴き声を愁いながら、ぼーっと聞いているのであろう。
※魏三 不詳。三は排行で、一族の同世代で三番目。日本で言うと三郎に該当する。
※江楼 揚子江の川岸の楼。
※橘柚 柑橘類。
※湘山 洞庭湖に有る君山島。
※清猿 清らかな猿の鳴き声。
※夢裏 夢の中。
横浜中華街
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唐詩選畫本 七言絶句 巻三