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短歌:瀬見のを川

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(ウェッブリブログ 2017年02月24日)

いつはりをわきて流るゝ世見小川

糺の森はいかゞ答へむ

 

本歌
いつはりをわきてとがむるしめのうちに晝となみえそ冬の夜の月
鴨長明集

分きてと湧きて、瀬見と世見、糺すと糺森の掛詞。

鴨長明は、瀬見の小川を賀茂川の異名と明言しているが、下鴨神社の説明文では、糺森を流れる小川としている。
鴨長明は、父を早くに亡くし、歌と琵琶には熱心だが、神事には余り熱心では無かったらしく、鴨一族からはほとんど無視されてきた。今で言うニート生活を続けてきた。
800年経っても、無名抄は無視され、他の文献を引用して、歌だけ利用されている。
糺森と言う名前をどう思っているのだろう。
世を見る思いがして。


無名抄
光行賀茂社の哥合とて侍りし時、予、月の哥に
石川やせみのを川のければ月も流れを尋ねてぞ澄む (神祇歌 1894 鴨長明)
とよみ侍りしを、判者師光入道、
かゝる川やはるとて負に成り侍りにき。思ふ所ありて讀みて侍りしかども、かくなり侍しかば、いぶかしく覺え侍し程に、其度の判すべて心得ぬ事多かりとて、又改めて顯昭法師に判せさせ侍し時、この哥の所に判して云
石川せみのを川、いとも聞き及び侍らず。但おかしく續けたり。かゝる川などの侍るにや。其所の者に尋ねて定むべし。
とて事をきらず。
後に顯昭に會ひたる時、この事を語り出て、
これは賀茂河の異名なり。當社の縁起に侍し
と申しかば、


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