はじめに
初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。
既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。
2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。
惜別桜 2018年04月12日
離京に
見納めと思ふ櫻の
盛かな
2年半住んだ京都を離れ、東京へ戻る。
毎年この桜を眺めていた。
今日、京都を去ると言うので、眺めていたいが、引っ越しをしなければならない。
時雨俳人 2018年11月19日
時雨ても旅人ならばそのままに
俳句をする者にとって急な時雨は傘を指さず、濡れるまま。
駅まで5分。ちょいと風流を。
今日は芭蕉忌。
桐落葉 2018年11月29日
桐葉踏む人の通ると跡見えて
初案は
落ち葉踏む人の通ると跡見えて
考えてから、踏むが、自動詞か他動詞かが不明なのは良くないと、言われた事がある。
近代俳句では、踏むで切れるので、自動詞となるが、これは、式子内親王の本哥取りなので他動詞。
桐の葉もふみ分けがたくなりにけり必ず人を待つとならねど
この人とは、観光客。めちゃくちゃ多く、落葉も人が通ったと分かるほど。意は、「必ず人を待つとならねど」
知恩院は、人の多すぎてとは思う。と言うメールに。
霜月西行 2018年12月09日
霜月や急ぐことにも
立ち止まり
霜月は、旧暦の十一月で、今日は旧暦の十一月三日なのだが、世の中忙しい事が好きらしく、師走に圧されて季語から消えつつある。
世の中が、忙しいからゆっくり後楽園を立ち止まりつつ歩く。
隣のドームでは、コンサートが有るらしく、とてもうるさい。
先憂後楽(士先天下之憂一而憂、後天下之楽一而楽)が、語源。士でも無いので、樂だけしよう。
本歌は後楽園に歌碑がある
道のべにしみづながる柳かげしばしとてこそ立ち止まりつれ
By 西行
泥酔李白 2019年01月01日
ボジョレーや
李白は明朝詩を忘れ
去年書き忘れたもの。
電車内で、よき歌を作ったが、次の駅で思い出せなくなった。
そこでボジョレーヌーボーをコンビニで買おうとしたが、もう売ってなかった。
遠き時代だあ。
李白は、酔いが覚めたら昨日の詩は覚えていない。
では何故李白の詩が1300年後の今も残っているのか?
答は、しらふの者が書き留めたから。
感性を妨げる現実が酒により無くなり、芸術だけが残ったから。
初夢 2019年01月02日
一富士と
せめて夢でも見てしがな
初夢は、一富士二鷹三茄子と言われています。
最近は、夢見る事も少なくなった のでせめて初夢くらいは。
俳句:初氷 2019年01月10日
初氷御手洗するに力入れて
今朝、いつもの神社に散歩がてらお参りすると、手水舎が凍ってました。
気合い入れないと御手洗(みたらし)が出来ない。
獺祭こたつ 2019年01月13日
あくびして
こたつの周り獺祭本
私の正月は、駅伝のテレビをつけっぱなしで本をあれこれ読んで、調べ、ちょうど手の届く範囲内に散乱していた。
正岡子規は、病床にある時、本を周りに散らかし、自らを獺祭書屋主人と号した。
私の場合は、単にこたつから抜け出るのが嫌なものぐさで、居眠りしつつ過ごしただけだが。
連休中に片付けるか?
羅漢 2019年01月20日
冬の日に照され
羅漢
笑ふかな
万葉集訓読研究の魁、仙覺の遺跡を巡る。
訪れる者も無く、寒い中、小さなお堂に羅漢が祀られていた。
「寒くてもお日様は暖かいぞ」と羅漢様が言っているようだ。
埼玉県比企郡小川町
中城跡
半僧坊大権現堂
冬枯 2019年01月27日
冬枯は
あはれ知る人知るひとと
はっきり言って、この寒空に、好き好んで枯野を見に行く者はいない。
誘っても誰もいないのを知っているので、独り公園に行く。
夜空焦がす籠たいまつ 東大寺二月堂でお水取り
お水取り 2019年03月12日
だんだんだんだんだんだんと
にがつだう
奈良東大寺の二月堂のお水取りに行ってきたと言う知り合いに。
本来であれば、「だんだんと」と初句を五音にすべきかと思ったが、擬音で六音、中七で「と」を入れ一呼吸置き、お水取りの迫力をと思った。濁音を続けるのも。
俳句は、勢いも大事かと。
ウグイス ケキョケキョケキョ(谷渡り)
老鶯 2019年04月10日
老鴬は春より唄やすみ渡る
季語:老鴬 夏 すみは、澄みと住み
年老いて来ると、都会生活に疲れが多く感じられる。
春に里にいた鴬は、夏には山間部に住みかを変え、 声が澄み渡っている。
そろそろ田舎暮らしに憧れて来たかも知れない。
遠花火 令和元 2019年08月04日
遠花火
手を引く人について行く
友人と花火を見に行く。
かなり酔った帰りの電車の中で、ある物語を思いついた。
遠花火
男は、花火を見に行く約束が自分の仕事が遅れた為に、待ち合わせに遅れた。花火の絶景ポイントは人混みでいっぱいになる事が気掛かりで、かなり焦っていた。遠くでは花火が始まっていた。
女は、今日のためにかわいい浴衣を買い、彼が来てくれるのを待っていた。花火客が大勢前を通り過ぎて行く。やっと時間に遅れた彼がやって来て遅刻を詫びた。
彼が、はぐれないように手を引いてくれる。大きな手で繋いでくれるだけで嬉しかった。遠くで花火が始まった。
二人の小さな夏の思い出。
私は、新古今風の中で、物語性と言うものが有り、それがイメージするような俳句を作りたい。
思い出雲 2019年09月08日
忘れてた
あの日の夏の
雲の峰
今日の東京は、台風の接近で南風が吹き込み、所々積乱雲が発生してにわか雨になっている。
新幹線から見ると、入道雲がより立体的に見える。
昔は、寝っ転がって雲を眺めながら時間が通り過ぎていった。
今は、時速300kmで移動しながら見ている。
雲の峰は夏の季語だが、今日の晴は夏を思い出させるには十分の残暑だ。
'19 冬休み 2019年12月28日
ときはなる
千歳の松も冬休み
今年最後の後楽園に行ってきた。
人もまばらで、外国人が多かった。
これから休園となる。
常磐なる松の緑も春来ればいま一入の色まさりけりの本歌取で、春を待つ間の冬休みである。
自主自宅隔離 2020年04月09日
春隠り
のそっと本を読むかいな
新型肺炎対策に、老人として世間に迷惑を掛けてはいけないと、不要不急の用事を避け、家で引きこもりしている。
テレビを見る気も無いので、好きな曲を掛けて、滅多に読めない本を購入して読んでいる。
気が滅入った時は、近所の神社に、近親者の無病息災を祈念しに御参りしている。
桜の花も散ったが、黄桜が咲き始まっていた。
放屁 2020年04月20日
放屁して
未だ臭ひする春のくれ
外に出て、花の香を嗅ぐことも出来ず、家から出ないでいる。年寄がほっつき歩いて感染を広げてもと。
感染すると嗅覚、味覚が無くなる症状があるとのこと。咳や熱の前に自覚するらしい。
家に居て、誰憚ることもなく放屁して、自分の臭に「うっ!」となるとともに、未だ臭いはすると少し安心する。
立夏には、緊急事態が解除になる事を祈りつつ、「自分は生きている」と言う実感を句題に。
田植 2020年05月29日
ゆふやけが
けふの田うゑを照らしけり
いろいろな仕事を今日もした人々がいる。
今日も疲れたとふと電車の窓から外を見ると、昨日は未だ水を張っただけだが、植えられてたばかりの苗が夕日に照らされている。
今日の成果が目に見える。そして秋には黄金の稲穂が垂れるだろう。今日の自分の仕事もいずれは実を結ぶと信じて。
と言うストーリを電車の中から見て、考えてみた。
五月晴 2020年06月08日
五月晴れ
けふはどこまで花探そ
今日は梅雨の前の五月晴れ。
どこまで3密を避けて散歩に行こうかと。
夏の雲 2020年06月27日
鉄塔の長い電線
夏の雲
五月晴れの暑い夕方、遠い道を高電圧線に添って水分補給に気を付けて歩いて来た。
雲はもう夏模様だな。
※スマホを買い換えたばかりで、何故か縦になっている。
蓮葉往生 2020年07月28日
蓮の上に生まれたいのか
鬼やんま
お堀の蓮の葉の上をオニヤンマが飛んでいた。
鬼と名が付いても、西方浄土に生まれたいと願っているのだろうか?
猛暑日 2020年08月05日
アジーアジー
朝から蝉の騒ぎおり
ただ今の気温は35℃!
朝はいくぶん低いものの、蝉の鳴き声が今日の猛暑日を予告しているようだ。
残柿 2020年11月03日
大空に飲み込まれぬやう
残る柿
小春日 2020年11月19日
小春日や前々行きたき所あり
連日、小春日が続き、どこかへ行きたいと言う気持ちが増して来る。特に不要不急は避けるべき昨今においては行く場所も限られている。
東京駅に行く用事が有り、ついでに皇居内を散歩したくなった。
検温とカバンの中身をチェックして、大手門から入る。江戸城と言う徳川幕府威信の城で、石垣の石も大きい。
紅葉の見頃には、若干早いが、散歩にはとても良い気候である。
帰りは平川門から竹橋駅で電車に乗るのだが、人混みの中を行くとなるので、苦痛だ。
大村益次郎 2021年01月21日
蔵六も銀杏の落ちてよく見える
靖国神社にて
靖国神社に参拝した。銀杏並木もすっかり葉を落とし、大村益次郎像が、青空に浮かんでいるようだ。
この疫病蔓延を、大村益次郎はどう見えるだろうか?多くの英霊は、脚気やマラリア、スペイン風邪などで異国の地で病死した。
益次郎(蔵六)に、どう見えるかと聞きたいとの意。
大寒 2021年01月21日
おお寒と読みたくなる今日のかぜ
大寒の前日の風は、北海道、東北、北陸でブリザードを引き起こした。
関東は、空っ風が吹き荒む。
新型コロナの感染者は一向に治まる気配も無い。
大寒(だいかん)をおお寒いと読みたくなる昨今。
今日よりは明日あたたか四温かな
(感染には十分ご注意下さい。)
2018年04月21日
先ず座りおしぼり手拭き生1つ!
(季語はビールですが、喉カラカラの注文らしく推敲)