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養生訓 巻第三飲食上 孟子の教え 夜食の害 食を控えめ

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飲食の人は人これをいやしむ。其小を養って大をわするゝ

がためなりと孟子のたまへるごとく口腹の欲にひか

れて道理をわすれ只のみくひあきみちん事をこの

みて腹はりいたみ病となり酒にゑひて乱に及ぶは

むげにいやしむべし。

夜食する人は暮て後早く食すべし。深更にいたりて

食すべからず。酒食の氣よくめぐり消化して後

ふすべし。消化せざる内に早くふせば病となる。夜食

せざる人も晩食の後早くふすべからず。早くふせば食

氣とゞこをり病となる。凡夜は身をうごかす時にあら

ず。飲食の養を用ひず少うゑても害なし。もしやむ

事をえずして夜食すとも早くして少きに冝し。

夜飲はのむべからず。若のむとも早くして少のむべし。

俗のことばに食をひかえすごせば養たらずして

やせおとろふと云。是養生不知人の言也。欲多きを

人のむまれ付なればひかえ過すと思ふがよき

ほどなるべし。

 

【感想】

孟子 巻之十一 吿子章句 上に、

孟子曰く、人の身に於けるや、愛する所を兼ぬ。愛する所を兼ぬれば則ち養なふ所を兼ぬるなり。尺寸の膚も愛せざる無ければ、則ち尺寸の膚ふも養はざるなきなり。其の善不善を考がふる所以の者豈に他あらんや。己に於いて之を取るのみ。體に貴賤あり小大あり。小を以て大を害することなく、賤を以て貴を害することなし。其小を養ふ者は小人と爲り、其大を養ふ者は大人と爲る。今場師あり。其の梧槚を舍てて其の樲棘を養はば則ち賤場師と爲さん。其の一指を養ひて其肩背を失なひて知らざれば、則ち狼疾の人と爲なさん。飮食の人は則ち人之を賤しむ。其小を養ひ以て大を失ふが爲めなり。飮食の人失ふこと有る無ければ、則ち口腹豈に適尺寸の膚の爲めならんや。

孟子曰。人之於身也,兼所愛;兼所愛,則兼所養也。無尺寸之膚不愛焉,則無尺寸之膚不養也。所以考其善不善者,豈有他哉。於己取之而已矣。體有貴賤,有小大。無以小害大,無以賤害貴。養其小者爲小人。養其大者爲大人。今有場師,舍其梧槚,養其樲棘,則爲賤場師焉。養其一指,而失其肩背,而不知也,則爲狼疾人也。飮食之人,則人賤之矣,爲其養小以失大也。飮食之人,無有失也,則口腹豈適爲尺寸之膚哉。

と有り、貝原益軒は福岡藩の藩医、儒学者として、孟子を引用して暴飲暴食の人を戒めている。酒に酔い乱れて🍺😵🌀しまうのは、私のさがだなあ😅

食べて直ぐ寝ると牛に🐮になると昔注意されたものだ。睡眠時😪💤💤は、運動量と呼吸量が減り、血中の糖分を脂質に変え、脂肪細胞に蓄えられる。つまり肥満に成る。寝酒などもってのほかだが、ついしてしまう。元禄前までは、庶民は朝食、夕食の2食だったが、元禄期に1日3食が広まった。

当時も食の俗説を信じる人が多かった。泰平の世で、全国の食品の生産が安定して来た元禄期には、飢餓の心配が失くなり、飽食の時代へ入って来た。しかし、貝原益軒は、摂取を控えるべきと主張している。先見の明がある。

 

養生訓巻第三  飲食上


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