源氏物語 浮舟
匂宮
年経とも
変はらむ
物か
橘の小島の崎に
契る
心は
よみ:としふともかはらむものかたちばなのこじまのさきにちぎるこころは
意味:年が経っても変わる事が無い常緑樹の橘の小島の崎で契る私の心も変わる事は無い。
備考:橘の小島は、宇治川の中州と考えられるが、場所は不明。
関連:古今和歌集 春歌下 題知らず よみ人しらず
今もかもさきにほふらむ橘のこしまのさきの山吹の花
浮舟
橘の
小島の
色は
変はらじを
この浮舟ぞ
行方
知られ
ぬ
よみ:たちばなのこじまのいろはかはらじをこのうきふねぞゆくへしられぬ
意味:橘の小島の色も貴方様の心も、変わらないでしょうが、この浮き舟の様な私は、何処に行くのでしょうか?薫様、匂宮様の間で揺れ動いて悩んでいる私は。
備考:浮きと憂きの掛詞。帖名、人物呼称の元となった歌。