Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

新古今増抄 巻第一 凡河内躬恒 春日残雪

$
0
0

一 凡河内躬恒    甲斐ノ少目。後任淡路掾。先

祖不知。任丹波権大目。延㐂比人なり。古今撰者

一 いづれをか花とはわかむ古郷のかすがの原にまだ消えぬ雪

増抄云。いづれをとは、雪と花をかけたる詞也。

是は二ながら面白とみたたる哥なり。勝劣が

批判せられぬとのこゝろ也。まだとは未也。

消ぬべき春なれど、いまだきえぬとよろ

こびたる心あり。わかんとは取分てんやいや

とりわけこれぬとの心有べし。ふる

さと、雪のえんにいひたり。さなければかすがの

はらばかりにてよし。此一句あまれるなるべし。

一句もあだにはをかぬ事とみえたり。

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>