「橋に置く霜の」とのことであるが、奈良地方の霜の降りる時間は、地面の温度が下がり、放射冷却が起こる日の出前の一番寒い時刻と考えるべきであろう。
霜が橋に降りたとして、夜明け前を「夜ぞ更けにける」と感嘆した時間としては遅すぎると考えるべき。
冬を含む寒い時期に、風も弱く穏やかに晴れて放射冷却が発生し、気温がおよそ5℃以下まで下がった朝、地面付近の温度は気温よりも数℃低い0℃以下となり、霜が降りることがある。気温がさらに低い場合は昼間でも発生し、一日中霜が融けないことがある。なお、風が強いとき、雨や雪が降っているときは地表の冷却が進まなかったり霜の成長が阻害されたりするため、気温が低くても霜が降りないことがある。