行く年を
をじまの海士の
ぬれごろも
かさねて
袖に波やかくらむ
新古今和歌集巻第六 冬歌
土御門内大臣家にて海邊歳暮といへるこころをよめる
藤原有家朝臣
行く年ををじまの海士のぬれごろもかさねて袖に波やかくらむ
よみ:ゆくとしをおじまのあまのぬれごろもかさねてそでになみやかくらむ 定隆雅 隠
意味:行く年を惜しむ雄島の漁師の濡れた衣は、何度も袖に波と涙を濡らしたためだろう。
備考:内大臣家影供歌合(散逸)。歌枕 松島雄島。雄島と惜しの掛詞。重ねは、衣、袖の縁語。