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前田家本 方丈記 大火2 舞人の宿せる仮屋より

とせるかりやよりいてきたり

けるとなん。ふきまふ風に

とかくうつりゆくほとに扇を

ひろけたるかことくすゑひろ

になりぬ。とをき家はけふり

にむせひちかきあたりはひた

すらおほちにふきつけたり。

そらにははひをふきたてたれ

ば火のひかりにゑいしてあま

(舞人を)

宿せる仮屋より出で来たりけるとなん。

吹き舞ふ風に、とかく移り行く程に、扇を広げたるが如く、末広になりぬ。

遠き家は煙に噎び、近き辺りはひたすら大路に吹き付けたり。

空には灰を吹き立てたれば火の光に映じてあま

(参考)大福光寺本

ヤトセルカリヤヨリイテキタリケルトナン

フキマヨフ風ニトカクウツリユクホトニ扇ヲヒロケタルカコトクスヱヒロニナリヌ

トヲキ家ハ煙ニムセヒチカキアタリハヒタスラ焔ヲゝ地ニフキツケタリ

ソラニハハヰヲフキタテタレハ日ノヒカリニエイシテアマ


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