をしへて! 倉本一宏さん ~娘・彰子のために! 藤原道長が作った屏風歌 - 大河ドラマ「光る君へ」
NHK公式【大河ドラマ「光る君へ」】時代考証を担当する倉本一宏さんに、藤原道長が屏風歌を作ったねらいなどについて伺いました。<ドラマをもっと楽しむコラム>
高遠
わがゝどに
たちよる人はうらき
よみなみ
こそみちのしるべ
なりけれ
道長 大納言をはじめ、大勢に御歌を頂戴いたしました。詠者
花山院
大納言 時中
大納言 道綱
権大納言 ○忠
中納言 時光
中納言 惟仲
参議 公任
参議 ○平
参議 輔正
参議 誠行
参議 齋信
参議 忠輔
参議 俊賢
蔵人頭 行成
大宰大貳 ○國
左兵衛督 高遠
修理大夫 親信
大弐高遠集 右大臣道長のみむすめ、うちにまり給ふとて屏風てうせい に歌どもさるべき人えらびてよませたまふ、うちにたてまつりし 歌、はるのはじめにまつの木のかたはらに梅花さける所に おりてみるむめのはつえのはなならでまつのあたりにはるを見ましや 柳ある所 うちなびきはるたちにけりあをやぎのかげふむみちにひとのやすらふ 笛ふく所 ふえのねはすみぬなれどもふくかぜになべてもかすむはるの空かな あみひく所 みなそこにしづめるあみもあるものをかげもとゞめずかへるかりがね うみづらなる家に、人のきたる わがゝどにたちよる人は浦きよみなみこそみちのしるべなりけれ なぎさのつらに、やつくりて、おきな女すむ所 もろともにとしをふる身のうらなれてなぎさのやどにおいにけるかな はなづらにたてるまつのしたに、おちつもれるまつば、かきとる 人あり かきつむるはまのまつばはとしをへてこだかくはらふかぜにこそまて しまのほとりに、ふねさしいづ いくゝもゐすぎてゆくらんふくかぜにをちのしまねをつたふうき舟 山のさくらを見る人あり いかでとくわがおもふ人につげやらんけふとやまべのはなのさかりを のにきじあるを、見ていく人あり みかりにもわれはゆかねばはるがすみたつのゝとりをよそにこそみれ あしのなかに、つなでひく人あり あししげきうらにたゆてふつなでなはなが/"\しひをくらすふな人 桜花さかりなる山をゆく人あり たとへてもなにかは人にかたるべきをりてやゆかむみやまべの花 水のほとりのやまぶき やまぶきのかげをみぎはにたゝみつゝなみのそこにやいくへなるらむ きしにかかれるふぢのはな かぜふけばきしになみよるふぢのはなふかくも見ゆるはるのかげかな はる、たびゆく人 はるの野にたびのこゝろはなぐさめつまつらんいもがやどをしぞおもふ