をしへて! 倉本一宏さん ~娘・彰子のために! 藤原道長が作った屏風歌 - 大河ドラマ「光る君へ」
NHK公式【大河ドラマ「光る君へ」】時代考証を担当する倉本一宏さんに、藤原道長が屏風歌を作ったねらいなどについて伺いました。<ドラマをもっと楽しむコラム>
公任集 中宮のうちにまゐり給ふ御屏風歌。人の家ちかくまつむめのはな などあり、すだれのまへにふえふく人あり 梅花にほふあたりの笛の音はふくかぜよりもうらめしきかな さい相中将いれり、ただのぶ 笛竹のよぶかき声ぞ聞こゆなる峰の松かぜ吹きやそふらん 中宮のうちにまゐり給ふ屏風の和歌。うみづらなる人の家のか どに人きたり。人出でてあいひたり。 昔見し人もやあるとたづねては世にふる事をいはんとぞ思ふ わが門にたちよる人は浦ちかみ波こそみちのしるべなりけれ おきなのつるかひたる所 ひなづるをすだてし程に老いにけり雲ゐのほどをおもひこそやれ 花山院のいれり ひなづるをやしなひたてて松原の陰にすません事をしぞ思ふ 山づらにけぶりたつ家あり。野にきじどもあり。みちゆき人たち とまりて見たり 煙たちきぎすしばなく山ざとのたづぬるいもが家ゐなりせば 人の家にはなの木どもあり。女すずりにむかひてゐたり 待つ人につややらましわがやどの花は今こそさかりなりけれ 人の家に松にかかれるふぢを見る 紫の雲とぞみゆる藤の花いかなるやどのしるしなるらん ※わが門に~は、高遠の作。