(32)誰がために書く - 大河ドラマ「光る君へ」
道長(柄本佑)の思惑通り、一条天皇(塩野瑛久)はまひろ(吉高由里子)が書いた物語に興味を示す。そこで道長は、まひろに道長の娘・彰子(見上愛)が暮らす藤壺へあがり...
春歸不駐惜難禁
花落粉々雲路深
委地正應随景去
任風便此趂徼尋
枝空嶺激霞消色
粧脆溪閑鳥入音
年月推遷齢漸老
餘生只有憶恩心
ナレーション 脩子内親王の裳着から数日後、道長は土御門殿で漢詩の会を催し、伊周と隆家を招いた。
(道長登場)
伊周 私の樣な者まで、御招き下さり、有り難き幸せに存じます。
道長 楽しき時を過ごしてもらえれば、私も嬉しい。
講師 儀同三司藤原伊周殿
講師 春帰りて駐(とど)まらず、禁(た)え難きを惜しみ、。。。
(伊周) 枝は花を落とし、嶺は視界を遮る樣にそびえ、霞は色を失う。春の粧いは脆くも崩れて、谷は静かに、鳥の哢も消える。年月は移ろい、我が齢も次第に更けてゆく。残りの人生、天子の恩顧を思う気持ちばかりが募る。
斉信 真に健気な振る舞いであったなあ。伊周殿は。
公任 いやいや、あれは心の内とは裏腹だろう。
斉信 そう思うか。
行成 はい。
斉信 うっかり騙される所だった。
【「光る君へ」人物紹介】藤原 伊周 ◆ 三浦 翔平 - 大河ドラマ「光る君へ」
【大河ドラマ「光る君へ」公式】道隆の嫡男 藤原 伊周 <三浦 翔平さん>をご紹介しています。
本朝麗藻 巻上 羣書類從 花落春帰路 以深為韻 儀同三司 春歸不駐惜難禁 花落粉々雲路深 委レ地正應ニ随レ景去_ 任レ風便此趂レ徼尋 枝空嶺激霞消レ色 粧脆溪閑鳥入レ音 年月推遷齢漸老 餘生只有ニ憶恩心_