祇王祇女姉妹は都の六條堀川のものにて一たび清盛公の見参に入りて
より寵愛千人の美女も一人にとゞ まり玄宗の貴妃に拾るに同じ
其ころ佛御前と 佛御前
いふ白拍子清
盛公に召され
徳是北辰椿
葉影再改
尊猶南面
松花色と朗詠
を舞ふ清盛魂
○○○色○○佛に
うつりいつとなく祇王姉妹は
秋の薄衣とすてられば祇王
かくぞ○
√もえいずるもかるゝも
おなじのべの草いづれか 祇王
秋にあはではつべきと書のこ
して尼になり姉妹嵯峨 祇女
野のおく往生院に入し○
佛も此歌に感じて同じく
尼になり嵯峨のゝおくへ○
三人ともに○○○まして居たりしとぞ
新撰朗詠集
大江朝綱
徳ハ是レ北辰、椿葉之影再ビ改マル、尊ハ猶ホ南面、松花之色十廻
延慶本
もえいづるもかるるもおなじのべのくさいづれかあきにあはではつべき