古今著聞集
和歌第六
156 西行法師崇徳上皇を悲しみ奉る事
保元の亂によりて、新院讃岐國にうつらせおはしましにけり。和歌の道すぐれさせたまひたりしに、かゝるうきこと出きたれば、この道すたれぬるにやとかなしくおぼえて、寂念法師がもとへよみてつかはしける、西行法師、
ことの葉のなさけたえぬるおりふしにありあふ身こそかなしかりけれ
返し、寂念法師、
しきしまや絶ぬる道になく/\も君とのみこそ跡をしのばめ
和歌第六
156 西行法師崇徳上皇を悲しみ奉る事
保元の亂によりて、新院讃岐國にうつらせおはしましにけり。和歌の道すぐれさせたまひたりしに、かゝるうきこと出きたれば、この道すたれぬるにやとかなしくおぼえて、寂念法師がもとへよみてつかはしける、西行法師、
ことの葉のなさけたえぬるおりふしにありあふ身こそかなしかりけれ
返し、寂念法師、
しきしまや絶ぬる道になく/\も君とのみこそ跡をしのばめ