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Channel: 新古今和歌集の部屋
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方丈記の数字に対する考え方2

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鴨長明の生まれをどの本も「鴨長明は、久寿二年(一一五五)に生まれ」(安良岡康作 方丈記全訳注237P)となっているこれは、方丈記の
すなはち、五十の春を迎へて、家を出て世を背けり。
元より妻子なければ、捨て難き縁もなし。身に官禄あらず。何に付けてか執をとどめむ。虚しく大原山の雲に伏して、五かへりの春秋をなん経にける。(前田家本)
により、出家した年を元久元年(1204)頃から計算されている。
承元元年(1207)に浄土宗念仏停止と法然、親鸞他流罪事件(承元の法難)により、大原にも弾圧の手が伸び、長明も日野に移り住まなければならなくなったと推察されている。

所が、その後に
ここに六十の露消えがたに及びて、更に末葉の宿りをむすべる事あり。
となって、年齢の計算が合わなくなり、様々な説が生じてしまった。

しかし、出家年齢が確定させられる根拠が有るかと言うと、前述の文言しか無い。
六十歳も概ねと考えれば、五十歳も概ねとすべきだろう。

共に確証の有る説では無いが、確定出来ないと言う説も唱えたい。

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