8 第一 春歌上 題しらず
風まぜに雪は降りつつしかすがに霞たなびき春は來にけり 雅 万葉集
9 第一 春歌上 題しらず
時はいまは春になりぬとみ雪ふる遠き山べにかすみたなびく 雅 万葉集古今六帖
21 第一 春歌上 題しらず
今さらに雪降らめやも陽炎のもゆる春日となりにしものを 定 万葉集古今六帖
30 第一 春歌上 春歌とて
梅が枝に鳴きてうつろふ鶯のはね白たへにあわ雪ぞ降る 有定家雅 万葉集古今六帖
60 第一 春歌上 題しらず
故郷にかへるかりがねさ夜ふけて雲路にまよふ聲きこゆるなり 定 ●
84 第一 春歌上 題しらず
臥して思ひ起きてながむる春雨に花の下紐いかに解くらむ 定家 古今六帖
88 第一 春歌上 題しらず
いそのかみ古き都を來て見れば昔かざしし花咲きにけり 定家 和漢朗詠集
109 第二 春歌下 寛平御時きさいの宮の歌合に
霞たつ春の山邊にさくら花あかず散るとやうぐひすの鳴く 定 寛平御時后歌合
172 第二 春歌下 寛平御時后の宮の歌合の歌
待てといふに留らぬ物と知りながら強ひてぞ惜しき春の別は 定 寛平御時后歌合
193 第三 夏歌 題しらず
五月山卯の花月夜ほととぎす聞けども飽かずまたなかむかも 雅 万葉集
194 第三 夏歌 題しらず
おのがつま戀ひつつ鳴くや五月やみ神なび山の山ほととぎす 勅 後鳥羽院
243 第三 夏歌 題しらず
尋ぬべき人は軒端のふるさとにそれかとかをる庭のたちばな 定 ●
244 第三 夏歌 題しらず
郭公はなたちばなの香をとめて鳴くはむかしの人や戀しき 定家 古今六帖和漢朗詠集 伊勢物語平家物語
347 第四 秋歌上 題しらず
をぐら山ふもとの野邊の花薄ほのかに見ゆる秋のゆふぐれ 有定家 古今六帖和漢朗詠集
454 第五 秋歌下 題しらず
秋田守る假庵つくりわがをればころも手さむみ露ぞ置きくる 定雅 万葉集古今六帖
500 第五 秋歌下 題しらず
雁がねは風にきほひて過ぐれどもわが待つ人のことづてもなし 有定 寛平御時后歌合
574 第六 冬歌 寛平御時后の宮の歌合に
神無月しぐれ降るらし佐保山のまさきのかづら色まさりゆく 定 寛平御時后歌合
708 第七 賀歌 題しらず
はつ春のはつねの今日の玉菷手にとるからにゆらぐ玉の緒 有家雅 万葉集古今六帖
731 第七 賀歌 題しらず
常磐なる松にかかれる苔なれば年の緒ながきしるしとぞ思ふ 定 古今六帖
747 第七 賀歌 天暦御時大嘗會主基備中國中山
常磐なる吉備の中山おしなべて千歳をまつのふかき色かな 定 天暦大嘗会
781 第八 哀傷歌 返し
置き添ふる露とともには消えもせで涙にのみも浮き沈むかな 通 大弐三位集
863 第九 離別歌 寂昭上人入唐し侍りけるに装束贈りけるに立ちけるを知らで追ひて遣はしける
きならせと思ひしものを旅衣たつ日を知らずなりにけるかな 定、家、雅 寂昭●贈答
880 第九 離別歌 俄に都をはなれて遠く罷りけるに女に遣はしける
契り置くことこそ更になかりしかかねて思ひし別ならねば 定、家 ●
893 第九 離別歌 筑紫へ罷りける女に月いだしたる扇を遣はすとて
都をばこころをそらに出でぬとも月見むたびに思ひおこせよ 有、雅 未詳
902 第十 羇旅歌 題しらず
朝霧に濡れにし衣ほさずしてひとりや君が山路越ゆらむ 有 万葉集古今六帖
910 第十 羇旅歌 題しらず
しなが鳥猪名野を行けば有馬山ゆふ霧立ちぬ宿はなくして 有定家雅 万葉集
911 第十 羇旅歌 題しらず
神風の伊勢の濱荻をりふせてたび寝やすらむあらき濱邊に 有定家雅 万葉集古今六帖
風まぜに雪は降りつつしかすがに霞たなびき春は來にけり 雅 万葉集
9 第一 春歌上 題しらず
時はいまは春になりぬとみ雪ふる遠き山べにかすみたなびく 雅 万葉集古今六帖
21 第一 春歌上 題しらず
今さらに雪降らめやも陽炎のもゆる春日となりにしものを 定 万葉集古今六帖
30 第一 春歌上 春歌とて
梅が枝に鳴きてうつろふ鶯のはね白たへにあわ雪ぞ降る 有定家雅 万葉集古今六帖
60 第一 春歌上 題しらず
故郷にかへるかりがねさ夜ふけて雲路にまよふ聲きこゆるなり 定 ●
84 第一 春歌上 題しらず
臥して思ひ起きてながむる春雨に花の下紐いかに解くらむ 定家 古今六帖
88 第一 春歌上 題しらず
いそのかみ古き都を來て見れば昔かざしし花咲きにけり 定家 和漢朗詠集
109 第二 春歌下 寛平御時きさいの宮の歌合に
霞たつ春の山邊にさくら花あかず散るとやうぐひすの鳴く 定 寛平御時后歌合
172 第二 春歌下 寛平御時后の宮の歌合の歌
待てといふに留らぬ物と知りながら強ひてぞ惜しき春の別は 定 寛平御時后歌合
193 第三 夏歌 題しらず
五月山卯の花月夜ほととぎす聞けども飽かずまたなかむかも 雅 万葉集
194 第三 夏歌 題しらず
おのがつま戀ひつつ鳴くや五月やみ神なび山の山ほととぎす 勅 後鳥羽院
243 第三 夏歌 題しらず
尋ぬべき人は軒端のふるさとにそれかとかをる庭のたちばな 定 ●
244 第三 夏歌 題しらず
郭公はなたちばなの香をとめて鳴くはむかしの人や戀しき 定家 古今六帖和漢朗詠集 伊勢物語平家物語
347 第四 秋歌上 題しらず
をぐら山ふもとの野邊の花薄ほのかに見ゆる秋のゆふぐれ 有定家 古今六帖和漢朗詠集
454 第五 秋歌下 題しらず
秋田守る假庵つくりわがをればころも手さむみ露ぞ置きくる 定雅 万葉集古今六帖
500 第五 秋歌下 題しらず
雁がねは風にきほひて過ぐれどもわが待つ人のことづてもなし 有定 寛平御時后歌合
574 第六 冬歌 寛平御時后の宮の歌合に
神無月しぐれ降るらし佐保山のまさきのかづら色まさりゆく 定 寛平御時后歌合
708 第七 賀歌 題しらず
はつ春のはつねの今日の玉菷手にとるからにゆらぐ玉の緒 有家雅 万葉集古今六帖
731 第七 賀歌 題しらず
常磐なる松にかかれる苔なれば年の緒ながきしるしとぞ思ふ 定 古今六帖
747 第七 賀歌 天暦御時大嘗會主基備中國中山
常磐なる吉備の中山おしなべて千歳をまつのふかき色かな 定 天暦大嘗会
781 第八 哀傷歌 返し
置き添ふる露とともには消えもせで涙にのみも浮き沈むかな 通 大弐三位集
863 第九 離別歌 寂昭上人入唐し侍りけるに装束贈りけるに立ちけるを知らで追ひて遣はしける
きならせと思ひしものを旅衣たつ日を知らずなりにけるかな 定、家、雅 寂昭●贈答
880 第九 離別歌 俄に都をはなれて遠く罷りけるに女に遣はしける
契り置くことこそ更になかりしかかねて思ひし別ならねば 定、家 ●
893 第九 離別歌 筑紫へ罷りける女に月いだしたる扇を遣はすとて
都をばこころをそらに出でぬとも月見むたびに思ひおこせよ 有、雅 未詳
902 第十 羇旅歌 題しらず
朝霧に濡れにし衣ほさずしてひとりや君が山路越ゆらむ 有 万葉集古今六帖
910 第十 羇旅歌 題しらず
しなが鳥猪名野を行けば有馬山ゆふ霧立ちぬ宿はなくして 有定家雅 万葉集
911 第十 羇旅歌 題しらず
神風の伊勢の濱荻をりふせてたび寝やすらむあらき濱邊に 有定家雅 万葉集古今六帖