百人一首古説 賀茂真淵
是は則ち厳粛なる宮闕の寒夜に殿庭御橋等の霜の白きを見て夜の更たることを知るとなるべし。霜はいつあはれと月もなき寒夜の深更にしろ/\と見ゆるはまことに夜の更たる景のしるきものなり。とのゐなどに侍りて夜ふかく起出て見しけしきを述べたるか、又は十二門前の御橋を見て詠めるなるべし。
是は則ち厳粛なる宮闕の寒夜に殿庭御橋等の霜の白きを見て夜の更たることを知るとなるべし。霜はいつあはれと月もなき寒夜の深更にしろ/\と見ゆるはまことに夜の更たる景のしるきものなり。とのゐなどに侍りて夜ふかく起出て見しけしきを述べたるか、又は十二門前の御橋を見て詠めるなるべし。