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百人一首一夕話 21 巻之八 1 蔵書

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百人一首一夕話巻之八

  目録
西行法師  歌譯
 西行の俗名義清なる話       西行二見浦に住する話
 文覚西行初て對面の話       銀の猫の話
 江口遊女の話           双林寺庵の話
 御裳濯川宮川歌合の話       吉野苔清水の俗説の話
寂蓮法師  歌譯
 寂蓮顕昭独鈷鎌首争の話      三軆和歌の話
皇嘉門院別当  歌譯

式子内親王  歌譯
 内親王齋院を辞したまふ話     定家卿に御名立たる話


鎌倉の右大将、西行
をして弓馬の道を
とかせられし。大江
千里が月みれば
の歌のごとく
なりと答へし
かば、頼朝たゞ
ちに其奥義
を悟りたまひ、
西行の帰るに
臨んで、
白銀の
猫を
與ふに、
是を懐
にして、

我に用
なしとて、
門前の
童にあた
へて去。慎
に富貴
捨て塵
の如く、
黄金
見る
  事、
塊に
似たりとは、
かゝる涼
   しき
心をや
 いふべし


江口の里は津國
に在、昔は遊女
などあまたありし
所にして、今草
堂を結びて、江口
の尼の像、西行の
像などを置きて、
君堂と称す。是
江口といへる謡曲に
依て、後人のいとな
みなせる物
なり。撰集
抄にみへたれ
ども、今草堂
に傳へいへるとは
異なり。

浅野群載遊女
の記に、江口を河
内の國とす蟹
嶋、神嵜とも
     に

遊女の名多く
あげたり。
按るに、
今蟹
嶌と称する
所なし
江口と
神崎
 との
中央
 なる
かじま
  村は
後世
 かに嶋の
 謝れる
 もの
   哉


荘周蛮觸の争ひ
列子が鄭人の鹿、
倶に喩を執て世
上の名利をあら
そふに比す。顕昭
寂蓮、歌の
間に
於て、
日々に
和哥を
評じ争ひ
しは、荘列
にいへるたぐ
ひにあらず
   して

其あら
 そひは
 君子
  なりと
 いふ
  べ
  し


卞和、璞を献ず。人石也と
する事二度。遂に左右の
足を切らる。依而、
璞をいだいて泣。
昆山のもと、涙
盡て血を以て
これにつぐ事
は、韓非子に
出たり。彼韓
退子が、千
里の馬有
れど、伯樂
なしといへる
が如く、
  秀才

賢能
 の士
あれ
  ど
人是
  を
 知る
  事
 なきに
  たとふ


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