七月 文月
七夕月
涼月 女郎花月
とことはに吹夕暮の
風なれど
秋立
日こそ
涼しかりけれ
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七夕
秋の夜をながき
物とは星合の
影見ぬ人の
いふにぞ
有ける
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蘭
主しらぬ
香こそ
にほえれ
誰 秋の
脱 野に
かけ 藤
し ばかま ぞも
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薄
鶉なく
真野の
入江の
尾花 濱
波 風
よる に
秋の夕ぐれ
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八月 葉月
秋風月
月見月
秋されば我袖
ぬらす
なみだ
草木の より
露も
おく○あるらん
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秋花
旅ころも
ひもとく花の
色々も
遠里
小野の
あたら
朝霧
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月
秋の夜の
月のひかりし
あか
ければ
闇部の山も
こへぬ
べらなり
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稲妻
風わたる
浅茅が
うへの
やどり 露に
も だに
はてぬ
宵のいなずま
※
新古今和歌集巻第四 秋哥上
藤原有家朝臣
風わたる浅茅がすゑの露にだにやどりもはてぬ宵のいなづま
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