寂蓮法師
むら雨の
露も
まだ
ひぬ
槙の
葉に
霧たち
のぼる秋の
夕ぐれ
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○寂蓮法師
俗名定長中
務少輔入道
┌俊成───┐
└俊海阿闍梨│
┌─────┘
└定長
寂蓮也俊成卿の
猶子實俊海
子也
寂蓮逝去の時
定家卿哥
玉きはる
かのことはり
も
たどられず
おもへば
つらき
すみよし
の
神
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此哥の心はまきなどある山は
いかにもふるき山又とこゝろえべし
秋の夕ぐれはゑもいはれずおもし
ろきにむらさめのして一そゝぎそ
そぎたる露もいまだひざるに
霧のたち上りたるけいきいはん
やうなし哥は其時その心に成
てみ侍らずばよせいのけいきほ
ねじみがたし三十一字につくし
うたきめう也秋は地中に陽
気があるゆへにた水がかゝれば
むせてきりと
たちのぼる
なり
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巻第四 秋哥下