
小式部内侍
大江山
いく
野ゝ
みちの
とを
ければ
まだ
ふみも
見ず
あまの橋立
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○小式部内侍
和泉守橘道貞
女母ハ和泉式部
上東門院女房
橘諸兄公十一世
・仲遠───┐
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└道貞───┐
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└小式部内侍
新後拾
夏くさは
しげりに
けりな
大江山
越て
いくのゝ
道見えぬ
まで
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此哥の心は小式部はいづみ式部が
子なり大内にて哥あわせのとき
かの母のあまのはしだてに住
けるがたのみてうたなどよませ
けるなどゝ○あふ人ありしをり
しも大内にて哥あわせのべし
おりしもある人の小式部が袖を
ひかへて天の橋立よりはやく
きたれる○とべしとき○此哥
をよみて人このふしんをはれ
たる哥なり此はしだていまだ
見ずましてふみまで○かよはし
たる○はなきといへる哥なり
小式部○年なるゆえ
人不審し侍り
し
となり
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