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建仁元年八月十五夜撰歌合

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建仁元年八月十五夜撰歌合

題 (月十題)
月多秋友 月前松風 月下擣衣 海邊秋月
湖上月明 古寺殘月 深山暁月 野月露涼
田家見月 河月
  作者 (25人)
  左
女房(後鳥羽院)
左大臣正二位藤原朝臣(良経)
沙彌釋阿(俊成)
俊成卿女
宮内卿
越前
丹後
散位正四位下藤原朝臣有家
沙彌寂蓮
從五位下行右馬助臣源朝臣家長
散位從五位下臣鴨県主長明
正六位上行左兵衛尉臣藤原朝臣秀能
  右
内大臣正二位兼行右近衛大將皇太子傳源朝臣(通親)
前權僧正慈圓
正二位行權大納言臣藤原朝臣忠良
參議正三位左近衛權中將越前權守臣藤原朝臣公經
小侍從
讃岐
散位正四位下臣藤原朝臣隆信
正四位下行左近衛權少將兼安藝權介臣藤原朝臣定家
正四位下行左近衛權中將臣源朝臣通具
散位正四位下臣藤原朝臣保秀
從五位上守左近衛權少將臣藤原雅經
從五位下守左兵衛佐臣源朝臣具親
從五位上行隼人正臣大江朝臣公景
  讀師
  講師
  判者 沙彌釋阿

   秋哥上
 八月十五夜和歌所歌合に深山月といふことを
 左持            摂政太政大臣
深からぬ外山の庵のねざめだにさぞな木の間の月はさびしき

(八月十五夜和歌所歌合に)月前松風
 左勝            寂蓮法師
月は猶もらぬ木の間もすみよしの松をつくして秋風ぞ吹く

 左勝            鴨長明
ながむれば千々に物思ふ月に又我身ひとつの嶺の松かぜ

 八月十五夜和歌所歌合に海辺秋月といふことを
 左勝            宮内卿
心あるをじまの海士のたもとかな月宿れとは濡れぬものから

 左持            宜秋門院丹後
わすれじな難波の秋の夜半の空こと浦にすむ月は見るとも

 左勝            鴨長明
松島やしほ汲む海士の秋の袖月はもの思ふならひのみかは


 和歌所歌合に田家月を
 右負            前大僧正慈円
雁の来る伏見の小田に夢覚めて寝ぬ夜の庵に月をみるかな


 左勝            皇太后宮大夫俊成女
稲葉吹く風にまかせて住む庵は月ぞまことにもりあかしける

  秋哥下
 和歌所歌合に月の下に衣打つといふことを
 左勝            摂政太政大臣
里は荒れて月やあらぬと恨みてもたれ浅茅生に衣打つらむ

 左勝            宮内卿
まどろまで眺めよとてのすさびかな麻のさ衣月にうつ声

   賀歌
 八月十五夜和歌所歌合に月多秋友といふこころを
よみ侍りし
 左勝            寂蓮法師
高砂の松もむかしになりぬべしなほゆく末は秋の夜の月


   雑哥上
 和歌所の歌合に湖上月明といふことを
 左勝            宜秋門院丹後
夜もすがら浦こぐ舟はあともなし月ぞのこれる志賀の辛崎

 和歌所歌合に深山暁月といふことを
 左勝            鴨長明
よもすがらひとりみ山野まきの葉にくもるもすめる有明の月

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