萬葉代匠記五巻 契沖
梅花歌三十二首并序 并は兼并なり。後の哥の題をこゝにかねあ
はするゆへに并と注す。ならびに序と讀は江家序あはせたり
と讀菅家なりとかや。哥は下に面々名あり。此序は憶良の作
なるべし。天平二年ー帥作師誤。會也。これは羲之が
蘭亭記の開端に永和九年歲在癸丑暮春之初會于
會稽山陰之蘭亭脩褉事也。この筆法にならへりとみゆ。
萃 孟子曰出於其類抜于其萃。注曰萃聚也。于時初春令
月氣淑風和 張衡歸田賦曰。仲春令月時和氣清。杜
審言詩淑氣催黄鳥。
鏡前之粉 宗武帝女壽陽公主人
日臥含章殿簷下。梅花落于公主額上成五出之花。拂之不去。自
是後有梅花粧。珮後之香ー松掛羅而(作勿誤)傾蓋隋煬
帝老松詩獨留塵尾影猶横偃蓋陰。夕岫陸詞云岫山穴似袖。